眠りに落ちる前の呼吸
ゆうと


シャンプーのにおいがぷかぷか踊る
ぴしゃりという音
バイクが通る
ぶいぶいいわせてんだ

眠りに落ちる前の呼吸
すでにどこかへいっている
寝返りをうつ
汗はべたりと肌につく

うっすらと吹く風は
誰かの寝息
ため息をつく
不眠症の誰かのために

押入れの中でうずくまる
出ておいでってやさしい声がする
それは君じゃないってこと
知っていたはずなのに


やさしいのは君じゃない
君はやさしくなんかない
愛しているのは誰?って
毎晩訊いてくるんだよ




自由詩 眠りに落ちる前の呼吸 Copyright ゆうと 2007-09-18 20:22:59
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