八月のエピローグ
LEO
ほどよく冷えた桃の
皮が剥けるのも
待ちきれない様子で
傾いでゆくあなたの
日焼けした首筋
滴る果汁か
それとも
戯れの残り香か
甘い匂いが
鼻腔の奥に絡んで
涙させる理由
洗われたシーツの
なお一層の白さと
眠ったあなたの
影と結んだ約束と
わずかに残る大輪の向日葵は
いまだ蒼い空への道を指していても
たぶんどこへも辿り着けない
知らなかったこと
知りたかったこと
同じではなかったと
気づいた今
静かに閉じる夏は
白く白く焼きついて
自由詩
八月のエピローグ
Copyright
LEO
2007-09-11 21:16:51
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