恋愛しにくい
ふるる

世の中って恋愛話が多いですよ、ねー。
あれですよね、恋愛というのは、合法ドラッグ・・・恋愛中というのは、交尾を促すために脳内モルヒネがばんばん出ているらしく、そのせいで「どこがいいのー?」と言うような人でも「世界一かっこよく」見えてしまうそうです。
その延長線上で、恋愛をテーマにしたものは売れるわけで。あの気持ちよさを追体験とか、単に人の恋愛話は面白い(経験者は面白く感じる)とか王子お姫のファンタジーとか。
さらに、デート中のカップルというのはお金を持ってるし好きな人のためになら、というので使うし旅行も行ったりするし、結婚まで行ったら結婚式場だの不動産会社だの家具やだの電気やだのが儲かるから、社会的にもくっついてもらったほうがいいわけで。
けど、だからって、現実に恋愛してない人や、彼氏彼女がいない人が、ダメってわけじゃないですよ、ねー。

今なら恋愛しなくてもいいじゃんと思えるけど、私は若いころはずーっと、恋愛できない自分はどっか欠陥がある、ダメ人間だと思っていました。(25歳まで)
だってほんとにできないんだもん。恋愛漫画なんかを読んでぽーっとなることはあっても、現実の人を前にしてぽーっというのはできない。だいたい男なんて不潔だしガサツで無神経だしすぐ触ってくるし威張るし自慢するしすぐ自分のこと好きなのかと勘違いするし、警戒を怠れませんよ。(若い頃の私から見た場合ね)だからどの文学を読んでも肝心な所が体験として分かってないからちーとも面白くない。(女の子が主人公のファンタジーってわけじゃないから)蝿の王とか長距離ランナーの孤独とか恋愛がらみじゃないやつはよかったけど。範囲狭っ。自分が理解できないことでみんなが騒いでるこの疎外感と苛立ち。悲しい。
原因の一つは、傷つくのを異常に恐れていた、ということがあったんだと思います。何かあったとき、相談できるような信頼関係を築いている人がいなかった、というのもある。結局は人を信用できないと、恋愛ってダメなんですよね。そういうのって、いつごろ培われたり培われなかったりするのかなあ。

で、今そういう恋愛体質じゃない若者がいたとして、昔はそうだったけど今は恋愛を経て結婚した者として「恐れずにどーんと行きなさいよ。とりあえずやってみー。」なんてことは言いません。いずれ、恐れずに人と接することができるようになるくらい、人生経験を積むとか、積まないとか、素敵な王子様が現れるとかで、待っていれば何かしら、なるようになる。多分だけど。ならない時はまあしょうがないじゃん、そういう体質だったんだよたまたま、けど何が悪いってわけじゃないよ。と言います。
分からないというのは不愉快ではあるし、周りも色々うるさいけど、無理にするものでもないしね。

それに、学生の頃はそういうこと言ったらへんに思われるからって皆自粛していたのか、会社に入ると「実は彼氏いたことない」とか「実は結婚したくない」とか「恋愛興味ねえ」とか「仕事一生してお嫁さんもらいたい」とか言い出す女性も多いです。(技術職だったからか)なんか、若い時は周りにあわせなきゃと思って恋愛しているふりをしてるけど、半分くらいの人は、恋愛に興味ないくせに無理くり付き合ってるんじゃないかと思ったり。かんがみるに、「年がら年中恋する」タイプと、「人生の発情期がきたら自然にそうなる」タイプがいるんじゃないかなぁ。物語の中ならともかく、現実で誰もがいつでも発情期みたいなのって、どっから来た思想だ。迷惑。
だいたい、恋愛→結婚→子孫繁栄という図式があるからみんな「恋しろ」「彼氏つくれ」「恋の一つや二つしないと大人になれん」となるので、例えば契約→同居→子孫繁栄という図式があったらそゆこと言わなくなるんじゃないでしょうか。

余談ではありますが、恋愛体質であるというのと、結婚するというのと、結婚後うまくいっているというのには、全然関係がありません。(自分の少ない統計上ね)結婚というのは大人同士の一生のお付き合い、共同で一つの小さい社会を作っていくものであって、対話力とか冷静さとか想像力とか寄りかかり過ぎない強さとかが大事です。
だいたい、お母さん友達と話していると、「ダンナといてもつまんない」だの「子供だけいた方が楽」だの「何話していいかわかんない」だの。この広い宇宙で(?)たった一人めぐり合った大事なパートナーじゃないですかーー!ばちあたり者めがーーーー!
ぼやーっとしてたって、ダンナさんはお笑い芸人じゃないんだから、面白いわけないじゃん。愛の花、というか面白の花、は二人で育てるものじゃないのかしらん。



散文(批評随筆小説等) 恋愛しにくい Copyright ふるる 2007-08-10 16:04:12
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