街に埋もれて
山崎 風雅

 夕刻が近づき
 ネオンサインが灯り出す
 歓楽街に仕事を終えたサラリーマンが
 群がりだし
 熱で火照った空気が放たれる
 
 虚ろな時を友にする俺は
 ありもしない物語を語っている
 しばらくすると
 雨に煙る街角で
 いろんなベクトルを感じている

 限りある時の中で
 出会う物語
 苦しみも喜びも
 いつかは風化していくと言うのに
 惜しみない記憶を辿る道

 冴えない毎日が普通なんだ
 気まぐれな天使は忙しそう
 はぐれた一羽の鳥は
 隣り街に向かう
 仲間は待っている

 損得で勘定しきれないのが
 人生の常ならば
 あえて茨の道を進むのもいいだろう
 君は言ったね
 もっと自分を大切にしてと

 争いはもうゴメンだ
 競争も大嫌い
 干渉なんてしないで
 俺だって
 反省ぐらいはしているさ



自由詩 街に埋もれて Copyright 山崎 風雅 2007-07-20 19:07:39
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