らむね
まりも

初めてラムネを飲んだのは
確か5歳のときだった

ママとパパに連れて行ってもらった
近所の夏祭り

小さなベンチに腰掛けて

ガラス玉を落としてくれたのは
パパだった

ビンに口をつけて
直接物を飲むことは
普段は禁止されてたのに

ラムネだけ、特別に例外を許された

どうしてガラス玉が出てこないのか
不思議でたまらなくて
飲み干したラムネのビンを
逆さにしたり振ってみたり

いろいろ試したのに結局
ガラス玉を手に入れることは
できなかったのだ

見えるのに触れない
音もするのに取り出せない

透明なただのガラス玉が
とても貴重な宝石に見えた


自由詩 らむね Copyright まりも 2007-07-16 22:36:51縦
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