意気地なし
yoshi

彼女が指を絡ませる

僕の指に絡ませる

くるくると表情を変えながら

楽しそうに話をしている


行きつけのバーに彼女を連れて行くと

マスターが僕に言う

随分可愛い子つれてきたね


僕は気分がいい

お酒も美味しいし

彼女の笑顔もとても素敵だ


彼女が結婚をして

だけど幸せになれなくて

もがいているのは知っていたけれど

僕がしてあげられることは

無いだろうと思っていたし

彼女と会えばきっと

恋をしてしまうと知っていた

だから会うのが怖かった


彼女からの電話で

会いたいと言われたときに

断る勇気が無かった

彼女に嫌われるのが怖かったから


僕は意気地なしだ


テーブルの下

指を絡めた手を見下ろして

それでも僕は

気分がいい


彼女と別れて

家に帰って

シャワーを浴びよう


僕は

シャワーを浴びながら

きっと落ち込んでしまう


そんなことさえ

今すでに

もうわかっている



自由詩 意気地なし Copyright yoshi 2007-07-16 00:43:28縦
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