洗濯物
hope



白。
真っ白。
とっても綺麗な、白。
でも、すぐに汚れてしまう、白。

あなたの真っ白なシャツ、吹きそよぐ優しい風にも、ちっとも揺らめいたりしないのね。

(なんで?)

ただ、ベランダで吊るされてるのね。
何時までも、何処までも、真っ白なまま…
何時までも、何処までも、綺麗なまま…

そんなあなたが、とっても綺麗に 白 すぎるから、私は真っ直ぐにあなたを凝視できないでいるの。
あなたの真っ白なシャツを汚してしまいたくなるの。

(ごめんね)

色、皺、そして、あなただけしか知らない、あなただけの 
由れ を、

そんな 由れ が、ベランダで吊るされているの。

(ねえ)

あなたは、こんなに 真っ白 なんかじゃないよね?

(ねえ)

汚してもいい?
白。
真っ白。
とっても綺麗な、白。
でも、すぐに汚れてしまう、あなただけの、その、白を。

(もうすぐ雨なんだって)

決して揺らめかない、あなただけのシャツ、

(ねえ?)

どうすればいい?


(ねえ?)


そして、あなたは何時も繰り返すの。


「もっと真っ白になりたい」


って。




(もうすぐ雨がふるよ)



白。
真っ白。
とっても綺麗な、白。
でも、すぐに汚れてしまう、白。


ベランダから眺めてた。




散文(批評随筆小説等) 洗濯物 Copyright hope 2007-07-12 00:04:58
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