洗濯物
hope
白。
真っ白。
とっても綺麗な、白。
でも、すぐに汚れてしまう、白。
あなたの真っ白なシャツ、吹きそよぐ優しい風にも、ちっとも揺らめいたりしないのね。
(なんで?)
ただ、ベランダで吊るされてるのね。
何時までも、何処までも、真っ白なまま…
何時までも、何処までも、綺麗なまま…
そんなあなたが、とっても綺麗に 白 すぎるから、私は真っ直ぐにあなたを凝視できないでいるの。
あなたの真っ白なシャツを汚してしまいたくなるの。
(ごめんね)
色、皺、そして、あなただけしか知らない、あなただけの
由れ を、
そんな 由れ が、ベランダで吊るされているの。
(ねえ)
あなたは、こんなに 真っ白 なんかじゃないよね?
(ねえ)
汚してもいい?
白。
真っ白。
とっても綺麗な、白。
でも、すぐに汚れてしまう、あなただけの、その、白を。
(もうすぐ雨なんだって)
決して揺らめかない、あなただけのシャツ、
(ねえ?)
どうすればいい?
(ねえ?)
そして、あなたは何時も繰り返すの。
「もっと真っ白になりたい」
って。
(もうすぐ雨がふるよ)
白。
真っ白。
とっても綺麗な、白。
でも、すぐに汚れてしまう、白。
ベランダから眺めてた。