水在らあらあ氏・「最果て」に寄せて。
ワタナベ

水在らあらあ氏 「最果て」
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私はネット上にあるさまざまなサイトに自分の詩を投稿している。それは、いろいろな方の意見を聞くことにより、自分の詩を客観的に見直し、さらに上達していきたいからだ。ただの詩馬鹿である。そして投稿するにあたって、よく言われる言葉がある。それは、この詩はあなたにとってどうしても書かなければならない詩だったのか、というものである。これは一概に全ての詩において必要だというわけではないけれど、やはり、作者にとって、どうしても書きたい、と思われて書かれた詩には言葉の強度、そして読者をして迫真にせまらせるなにかがやどるのではないかと思う。
私はこの「最果て」という作品において、少なからずとも読者に迫真にせまってくるなにかを感じた。この詩の根底に流れている生の言葉に圧倒されたのである。読者をしてなんらかの素敵なイメージを膨らませる作品でも、なにか強烈に訴えかけてくる詩でもない。だが、この詩には「血」が通っていると感じた。
>アレックス
>ラファ
>血を
>もらってくれ
作者はどんな意図で、血を「もらってくれ」と言ったのだろう。若輩者の私には想像がつかないがそれでも、強固な絆を感じる。そしてそれは、作品と向き合う際の読者にも及ぶのではないだろうか。最果てでつながれるこの生の絆は私にとってうらやましくもあり、そして人間を恐れる私にとっては勇気付けられるものでもあった。その点ですでに私とこの作品との間には、絆が出来上がっているのではないかとも思った。
作者にとって、どうしても書きたいと思うことがら。
最果てでの愛すべき人たちとの一夜は永遠に生き続けるだろう。
作者の記憶の中で、「最果て」という作品の中で。
そして、その光景を詩という形で垣間見られたのは読者として私には幸運なことであったとおもう。


散文(批評随筆小説等) 水在らあらあ氏・「最果て」に寄せて。 Copyright ワタナベ 2007-07-09 15:52:25
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