灰
見崎 光
飛ぶはずだった
憧れのなびく この地で
丁寧に編み上げた羽を
広げて様子をうかがっていた
冷たすぎず暑すぎず
体温に溶け込む風
見え隠れしながら射す陽気
たゆませた草の
ゆりかごは
すでに舞っているかのようで…
いつしか
朝露に濡れた体の重さに
影を感じた
憧れが連れ去ったもの
賑やかさを集めた頃に
灰になろうとは
携帯写真+詩
灰
Copyright
見崎 光
2007-07-07 09:30:01