性癖
Itha
男女が裸でまぐわう姿 みだらにうなだれる姿 下着一丁または全裸
そんなものに興味はない
全てにおいて 少女 というエッセンスが加われば
服を着ていようが座っていようが眠っていようが何をしていようが
瞬間的なエロチシズムを感じてならない
清楚で危なげそれでいてどこか神秘的
あどけない表情の中にふと見せる女の顔
無邪気の中に埋め込まれた誘惑
妖精的かつ悪魔的な色香
その気があるのかと思えば全くなかったり
計算しているのかしていないのか
裏がない けれども表も無い
本人達も意図していない
必然的エロチシズム
かつて少女だった人間が子供を産み女になり死んだとしても
少女はまだこの世に存在する
"少女"という大きな観点でみればそうだ
だが個人、1人に絞ってみたらどうだろう
1人の女性という性の人間に与えられる少女時代は1度切り
過ぎればもう戻らないし再びくることはない
残酷にも時間の進みは早く少女を大人の女にどんどん改悪する
人生の中で最も美しく儚い刹那
更に残酷なのはこの美しい時を少女たちはあまり大切にしないこと
日に日に劣化していく事に気付かずに体をすり減らすばかり
水槽に閉じ込めら噎せるような拘束感に縛られる感覚
その最中にいる少女たちは早く大人になりたい女になりたいといき急ぐ
水槽の外それを護る義務があるわたしたちは
ああ勿体無い
そんな事をいっても水槽の中に届くことはない
はりがあって白かった肌は
大きく膨れ、やがてしわしわにしぼみ
どこまでも深く吸い込まれてしまいそうな瞳は
根の腐った男をうつし死ぬ頃には白く濁る
体が衰え自由のきかなくなったころには後悔だけが残る
早く大人になろうとわざと駆け足になる少女をみると喪失感で一杯になる
こんな事が思えるのはもう私が少女でない証である
かつて少女だったわたしがこんな事を思っているのだ
きっと今少女である彼女たちも少し経てばこんな思いに囚われてしまうのだ
絶望するするとわかりながらも好きになる
一瞬の恍惚、一瞬の快楽を壊さぬよう護りつづけながら
絶望も含め少女愛は人生をかけた耽美主義だ
ある者は失いかけた一瞬を写真におさめ
ある者は戻ってこない時間への絶望の慰みに少女を描き
ある者はそのままの姿を残そうと人形を創造する
それにまた魅了された者が戻ってこない時間を嘆く
少女は生まれた瞬間から
そして死てなお、わたしたちの心をとらえて離さない
少女は女になるとき一度死ぬ
物体としては残ってもわたしたちからみれば死んだも同然
わたしたちはそれが永久に戻ってこない事を知っている
たまに戻そうと一度死んだ人間につきまとう者もいるが
大体はかわりを求める
最初にこうと決めた少女像をどこまでも追い求め
やがてそれは見つけられないままわたしたちは死ぬ
見つけたものはいないだろう
こんなにも美しいのに
なぜ人はこの性癖に対し否定的なのか
同年代の大人の女性に相手にしてもらえないから小さい女の子に走っている
それは間違っている
女性だけが相手してくれないんじゃない
少女も相手にしてくれないのだ