「瞼の交響」
焼石二水




ゆっくりと
その角を曲がって行け、。蹄でなく
流れる一筋ごと粒子を埋め、加速し
金糸のそれぞれの鈍い光によって
産まれて行け、。

((失速しながら

しかし、果てまで手を伸ばして、。再びの

((波打ち際によって

静かに置いて行かれよ、。髪でなく
流れる一粒ごと文字を埋め、輝き
銀糸のそれぞれの透過によって
死んで行け、。

((生きとし生ける

息づかいに横たわる

街を出ようとする者と
街であろうとする者と
街に在ろうとする者の

その肉とその河の

((浅瀬によって

やさしく閉じられよ、。







滑り込んで来る者の名を
口にすることは許さない、。その
強度で曲がるのだ

夜よ

((ひとり

流れに立ち、。眠れ

やすらかに
やすらかに










未詩・独白 「瞼の交響」 Copyright 焼石二水 2007-06-20 23:48:35
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