宣言の声を聞いた
ブライアン

県庁所在地から車で十分、
ガスと電気が設備されたマンションに住んでいる。
子供はまだいないが、二人くらいは、と考えている。
電線の張り巡らされた郊外の一室で。

進化は未来を追い詰める。
当たり前の生活を信じていたのは、
テレビに映る郊外を見続けてきたからだ。
中心地から離れても、車と電気があればそれでいい、と。



死なない程度の当たり前の生活。
それは、誰かの死を無視していることに変わらない。

  大地のリズムを失い、
  鉄製の建物が並び、
  「これ以上」を求めてはならない、と
  幸福のカテゴリーは宣言した。



自由詩 宣言の声を聞いた Copyright ブライアン 2007-05-30 14:50:05
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