羽根
霜天
ひらひらと
白い羽根が飛んでいた
どこから放れて
どこへ行くんだろう
緑一面の麦畑と
鉄塔に挟まれた空を
ゆれてゆれて飛んでいく
蝶々なのかもしれない
遠く遠く遠く
離れていく
いつか落ちるとしても
僕には知ることの出来ない場所で
どこから放れて
どこへ行くんだろう
いつまでも見渡せない
僕を追い越して
いつかこの手を逃れて
消えていった風船に似ていた
赤い円はやがて点へ
遠く離れれば見えなくなる
あのときの風船と
同じくらいの速さで
届かない空へと
羽根は僕を追い越して
自由詩
羽根
Copyright
霜天
2004-05-09 18:30:06