おぼろ
田島オスカー



あまり大きくないアパート
階段をのぼって
一番高い踊り場から見える空の
ぐうんと遠く
そのまんなかにぽかんと
おぼろの三日月が浮かんでいる

あまり無意味にもの悲しいのはきらい
すんなり泣いてしまうのは
絶えないと思っていた何かをなくす時だけでいい

 


自由詩 おぼろ Copyright 田島オスカー 2007-05-24 02:29:34
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