yoshi

大丈夫?なんて

声をかけないでください

恥ずかしくも

涙をこらえていますから

今は

大丈夫です



言葉を返す事は出来ません



電車は容赦なく

扉をぴしゃりと閉めてしまいました

たった今の事です

彼女の右側から見る横顔が好きだったから

こっち側の席に座ってくれるかなと

目で追ってみましたが

彼女の姿は何処にもなく

せめて最後に

横顔だけは見たかったなんて考えると

また涙が溢れてきてしまいました

僕は男の癖に

泣いてしまいます

君の事になると

どうしても泣いてしまいます

君は

僕のこういうところがキライだって

言ってたな


僕は強くなれなかった

君の事に関しては

まったく強くなれなかった


別れが悲しくて

駅のホームで泣いている僕を

頼むから

見てみぬ振りをしてください

お願いだから

大丈夫?なんて

声をかけないでください

体調が悪いわけでも

救急車を呼んできて欲しいわけでもありません

ただ僕は

たった今失ったものを

取り戻したいだけなんです






自由詩Copyright yoshi 2007-04-08 21:25:31
notebook Home 戻る  過去 未来