大荷物
weed & sky

とにかくちょっと出かけるだけだというのに、
わけわからんくらい鞄が重い。
これはどうもうちの家系というのか何というのか、
私の実家では母以外、父も妹も弟も私もみんな揃って、
何かというと必要以上の大荷物を、
背負ったり担いだり引きずったり車に乗せたりしている。
私が最近買ったお気に入りの鞄にしてもそうだ。
もともと男物ででかい鞄なのに、
そこにさらに意味不明の大量の荷物。
双眼鏡がいるのか、本当に。
地下鉄に乗って街の真ん中に行くのだぞ。
どうかすると夜も持ってるよな、双眼鏡。
いったい何が見たいのだ、私は。
前々から見たい見たいと思っているヒレンジャクとキレンジャク。
確かにきれいな鳥なのだが、見られる季節はいつなんだ、いったい。
夜に見えるのか、え?
そして顕微鏡。
飲み会の最中に1人熱心に刺身のつまとか箸袋、
見てていいのか、え?
何種類もののど飴、何種類もの薬、何種類もの筆記用具。
安全ピンは1個でいい、1個で。
いろいろな講座を受けに行くたびに思うのだが、
何で私のノートはこんなに不必要に分厚い。
アートセラピーの過去の作品全部を持ち歩いているバカがどこにいる。
ポケットティッシュは常に3個。
タオルのハンカチは常に3枚。
ポットにお茶を入れ持ち歩きだのに喫茶店に入っている。
たった20分かそこら車中で読むだけなら文庫本で充分。
その分厚い専門書を20分でどれだけ読めるんだ、え?
友だちとランチに行くだけなのに本当にいるのか、
その電子辞書は。
あああ、でも不安。
全部持っていないと不安。
喫茶店でもどこでも鞄がそばにないと不安。
結局鞄が好きなのか?
いや違うよな、やっぱり。
それにしてもとにかく肩がこる。


未詩・独白 大荷物 Copyright weed & sky 2007-03-21 01:11:42
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