楼閣
焼石二水



ぬかるめば、。まだ
容易いだろう春の目覚めは
アスファルトの下で息を潜めて
丸めた背中に街を築いた、。今朝も
大動脈を車は行き交い
目を見開いたまま
居眠りで
寄り道もせずに落ちて行く

(あの水平線の向こうは
(誰の肩だっただろう
(とても大切な
(ことだった気がする

足音が思い出せない
手触りだけで((辛うじて、。いる
一方通行」
進入禁止」
ここが何処の細道でも、。私に
七つを祝う子はいない
交差点の
この先で

(居眠りをする背広姿の
(背に伸びるビルの影から
(呼び鈴の音
(誰かの家の

正午が澱を結んでいる、。人の
目覚めない結界を
儚い」と名付けて
花を待つ







未詩・独白 楼閣 Copyright 焼石二水 2007-03-20 23:47:54
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