しわがれつくせぬものたちと、富めるものの間で起こったこと。
もしゅ


くさなぎの目やには相変わらず引き裂けていて
尊ぶ姿勢もなく奥まった眼球に 
串刺しにされたプロキシサーバーはいつものように
ヤマメをにらみつけていて。


いつになったら落ち着くのやら・・・。


「地場が危ういよ」と諭すんだけれども聞いてもらえず
LANケーブルのなかにアサリを突っ込んで
のみこんで 
にやにやと
やまめがのたうちまわるのを見つめているのだから 
たまらない。

串刺しになるプロキシーの奥で
聖なるものは偶然性と嗚咽を一緒にくわえ込んで
身じろぎひとつせず
売春婦たるこころいきにおぼれていく。

「過ぎたるは及ばざるが如しと」ささやきながら
過剰の合間をほころびながら
くず折れながらほどけてゆく吉原の花びらたち。
そのサービス精神と接客マナーのおくに住み込んだ
しわがれつくせぬめしべたちの裂け目から覗き込む
あの方の御目は
身じろぎひとつせず 
飛行機が飛んでくるのを
待ち望んだ。

ムハンマドの僕たちのいかりと血しぶきを
その身一杯に受けて
資本主義の楔であると
仁王立ちになって飛行機を
受け入れるのだった。









未詩・独白 しわがれつくせぬものたちと、富めるものの間で起こったこと。 Copyright もしゅ 2007-03-02 13:05:58
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