発光する窓
黒川排除 (oldsoup)

泥のような緑
黙したままの光景に
虚ろがる夢が漂い
わたしは疲れている

コンクリートで舗装された
河川敷をよたよた
歩く老人を見て
わたしは疲れている

反省など冷たく
こおろぎのような声
反響板は曲がり
棚の鉄は錆びる
冷凍された魚の
飽きっぱなしの口は
欠けた歯がたまり
閉鎖感の漂う
壁の白い街路
波打ちの花も散り
規律された動きは
だが汚れた背骨
だが汚れた背骨
霜から順路に沿って
通電しない電線の色
催された吐き気も
縁側で焦がれた恋も
雨が降って溢れる
側溝の流れに船
しまわれた景観
伸びやかなる声は
距離を測る道具にされ
くみとられたいと思う
強さがにじませるとがり
草の根のぬるさに抱かれ
わたしは疲れている

反射する体温を複製する
わたしは疲れている


自由詩 発光する窓 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2004-04-15 01:17:49
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