こんなに夜も更けているのに
砦希(ユキ)

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こんな時間、もうすぐ四時で
おじいちゃん、起き始めちゃう時間だねなんて笑っていたら
いつのまにか、お父さんも早起きになっていて

そんな時間に私は
コンピュータの画面見て
少し落ち着かない気持ちになりながら
詩とも呼べないものを書いて
たまに泣きそうになったり
なんとなく、笑っちゃったりする


お父さん、
あなたとお母さんの間に
生まれてきてしまったこの小さな命は
あなたとお母さんが老いていくのと同じように
少しずつ少しずつ大きくなって
なにかがあるたびに
汚い気持ちになったりもするけれど
なにかがあるたびに
きれいな心になったりもします

あなたとお母さんが兄たちを産んで
少し遅れて私を産んで
恨んだりしたこともあったけれど
あなたとお酒を飲めるようになったことで
幸せを感じたりもするのです

こんなに夜も更けているのに
自然に目が覚めてしまうたびに
「年とったなぁ」なんて笑うあなたの
懐にもう一度抱かれたいと思ったりもするのです

こんなに夜も更けているのに
眠ることすらできないで
今日と明日の境目を永遠に失ってしまったあなたの娘は

あなたの娘は

 


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こんなに夜も更けているのに

 


未詩・独白 こんなに夜も更けているのに Copyright 砦希(ユキ) 2007-01-26 03:57:24
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