青を折る
つめきり

街の境界で
2才児が、
空を裂いていた。人々のさまざまな傘が壊れだし
小さなハミング
ひびきにとらわれる、成長痛
からだの隅々で、こんなに軋むとは
思わなかったね
次から次へと間違いを正していく内側の黒さ
ビニル


膿、凛として美しい他人の癖を見つめる
傘が歩道橋の下で
くるくると回る赤は赤を塗り、ビニルは無機質を
澱ませ
さりげない舌打ちの
空っぽの口腔の
ささくれ
だれかが見ていると電線の2本目が痛んでいて
胸でとぎれない裂傷、しめつける回送の
けっして骨は骨を砕かない、つなぎとめ
青を遮る、見えなくなる人々の
2才児の目の位置を、点々とつたってくる
溢れたら 
青をつたって降りてくる。わすれていたらさりげない 
見ちがえた空を後頭部から、眺める
ねんまくの層が、余りきった広場の指の方でとぎれて
成層圏が、砕けた
前から後ろへ順序よくあふれる空席のベンチの膿
手のひらを眺めていると
関節の隅々まで 裂け目だった




自由詩 青を折る Copyright つめきり 2007-01-20 13:09:25
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