銀杏坂
maumi

冬枯れのいちょう並木に人工物の光
巨大な灰色の都会の象徴は
もう時間も遅いと目を閉じる

スクリーン越しにぼやけて見える
街の灯は
僕の吐く息の白さが増したから

赤から青へ変わるたび
エンジンには多量の火が加わり
またどこへかと 僕を誘う

冬枯れのいちょう並木に灯す火は
都会の象徴なのだと思い また
この灯りはどこへ誘うというのか
都会を知らぬ僕には
せんなきことかも

冬枯れの冷たい道にも
チカラのくすぶり

まだもう少し先だと
呟いた気がした


未詩・独白 銀杏坂 Copyright maumi 2007-01-15 23:21:11
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