だいありー。

久しぶりにナニカを書こうと思ってみたときに、テーマは日記なんじゃないかと。
今日、日記風な小説をチョットだけ立ち読みしたけど。。。泣きそうだったのでそのまま本を閉じました。
何度も同じ話をしてしまう癖はいつになったら治るんだろうナァなんて思ってるうちは、きっとそのままな気がする。
でも、それを無理やりに治す気もなくてなんか和やかな気分で広い空を眺められたらナァなんて考えてます。
空想・回想・妄想イロイロごちゃごちゃしたものが、過去の中に埋まっているからそれを言葉に出して書いてみても悪くないかナァって。
どこまでできるかわからないけど、キラキラ思い出は悪いもんじゃないんじゃないかと。
なので、長くなるかもしれないけど・・・途中で繋ぎつつ。。。ここにそぐわないかもしれないけど。チョットの間考える時間も含めてってコトで。。。

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ピンクのジャージにインディゴジーンズ、ベルトは黒の2つ穴のデザインチョットごつめ。高校の卒業式の直前に開けたピアスホールには、シンプルなヘマタイトのピアス。少し赤めの色の髪は、2つに束ねた。莉緒の慣れない化粧は、都会に出てきました感をより強くしているだけのような気がする。
改札を出た反対側の橋の所に葉子の姿を見つけた。葉子は、身長が167cmもあるのに7cmの厚底のごつい靴を履く。今日は、白のふりふりのワンピースに薄い水色のカーデガンを合わせていた。通りかかる人は、みんな葉子のことを振り返っていた。
 「遅いよ〜、、、莉緒はまったく・・・」
ぶつぶつと文句を言いながら川沿いの桜並木の歩道へ向かって歩き出す。
 「ごめん!駅の乗換えがいまいちまだわかんなくてさ。」
通り沿いを段々人が埋め尽くしていく。たくさんのビラが配られていて葉子や莉緒にも何枚も渡される。
 「ってか、あんたもいつまでも乗り換えわかんないわけないでしょー。」
葉子に突っ込まれ、莉緒は、苦笑いだ。
文句ばっかりぶつくさ言いながらも付き合ってくれる葉子と莉緒は、高校からの付き合いだ。どこに行くにも莉緒は、葉子にクッついていく。ウットオシイと思いながらも葉子は、甘ったれの莉緒の相手をしてくれる。
葉子は、いつもお洒落をかかさない。というか、目立った格好が好きだ。周りから注目されることが好きなんだろうと思う。イマイチお洒落に疎い莉緒は、頑張ってみてもどこかちぐはぐな組み合わせになっていたりする。葉子は、いつも好きな格好でガンガンと突き進んでいく感じで一緒にいても飽きないのだ。
 「おめぇら、おせぇーよ!」
撒きビラをしている男が、こっちに寄ってくる。もっさりとした黒髪のロンゲは、お洒落とは言いがたい・・・物言いは、乱暴で租雑ではあるが、面倒見の良い石田が、二人を捕まえて持っていたビラを手渡す。
 「すんませーん」と莉緒。
 「キャー、ごめんなさい!」と葉子。
二人は、石田から受け取ったビラを慣れないスーツを着た新入生に渡し始めた。
 「とりあえず、追加分持ってくるから、ちゃんと勧誘しとけよ!」との石田に
 「はーい☆」と二人の返事だけはよいのであった。
桜の花びらが、ちらちらと舞っている中、ビラを渡す。
毎年恒例の新入生歓迎コンパに人を集めて、少しでも楽しい学生生活になればという名目の元に勧誘をすすめる。楽器初心者からでも大丈夫!という名文句のビラを新入生に渡していた。一年間一生懸命ギターに勤しんでみたものの莉緒はまったく上手くならないなぁと思っていた。歌だったら好きなようにできるのにボーカルになるつもりもなく、そこに集まる人たちが好きで続けているようなものだった。

新入生歓迎のライブパフォーマンスを横目に見ながら、温まりつつある風の匂いをかいでいた。静かに耳を澄ませばザワザワとだけ聞こえるキャンパスの熱が少しづつ高まっていくのがわかる。
春は、春という季節だけでなんだかほこほこしてしまうのだ。
夏に差し掛かる新緑の匂いや暑苦しい夏の熱を思い返すことができるだけでも莉緒は、なんとなくあったかくなったこだけで嬉しいと感じてしまうのだった。

すっと冷たい風が通ったと思った。
 −桜の下に一人の白ジャケットを着た男の子がぼんやりと佇んでいた。

キャンパスは、一層ザワザワと熱を帯びていく。
 「莉緒〜、行くよ!」
葉子の後ろを慌てて追いかける。なんだか胸がザワザワとしている。
 「莉緒?なんか顔が赤いよ?」と葉子が莉緒の様子を気にかけている。
 「ん?なんだろう?風邪かなぁ。。。」なんか、寒気とかしたしな?と思っている。
葉子が、莉緒のおでこに手を当てている。
 「大丈夫!お酒でも飲めば元気出るって!」と石田が二人のそばに寄って来た。
 「そだね!」と葉子が賛同した。

莉緒は、なんとなくさっきの男の子を思い出していた。
なんだか、懐かしいような・・・触れられないような・・・ナニカ話してみたいナァと思ったけど、桜の方を見てみてもキャンパスの中を眺めて見てもそれらしき人影は、見当たらなかった。


未詩・独白 だいありー。 Copyright  2007-01-09 01:40:56
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