鵜飼千代子さんのプロフィールBBS
2010 09/30 22:41[200]
鵜飼千代子

何度も聞くうちにまた出てくるかもしれないのですが(録音が3時間以上と長いのでじっと座って聞いていられない)、美術関係の方のお話はわたしの感覚と近いところがありました。それくらい、外輪なのか、接触が少ないからこそ感覚の鋭い人のセンスで天彦さんの実体と交信出来ていたのか。なにより、大学の同級生で、美術研究会の方のお話が良かった。奥様を旧姓で呼んでらして、結婚披露宴のお話のようだった。最期の病床のことにまで至ってしまうところが、結婚披露宴とは違うけれど、温かくて、こんな言葉をわたしは欲していました。奥様に。わたしは、みんなのことしか考えていないし、天彦さんは詩のことばかり考えているし(特に日本詩人クラブ)、閉塞された天彦さんと奥様のふたりの世界で、わたしが良くも悪くも空気抜きになれればよかったのだけれど、奥様が全て引き受けて下さった。詩が乱れず、美しい詩と論考が残されたことは感謝すべきことだと思うけれど、ご自身も体調が優れない中、家のことだけでなく、外のことでの様々に苦しくされたことをとても申し訳なく思います。わたしの夫は、詩に関することに対して兵糧攻めをするし、処女詩集を出すのも母が「出世払い」で貸してくれているので。

天彦さんが呼ばなかったのですから、死に目に会えなかったことより、奥様に申し訳なく思います。奥様が骨折していたと後からわかったって、わかるんですけど、読者もそいうのわかってと思う。

奥様が好きで飾っているいくつものお雛様に、ひなあられが添えられていて、それを摘んで食べている。ということを、詩にも書かれていますが、わたしも呑みに連れて行っていただいて伺いました。そういう、いたずらのようなことがとても和みになっていらしたようで、奥様はよくわかっていらしたと思います。(少なくなると足してあったらしい。袋のを食べれば湿気てないのに。(笑))奥様の心配と、亡くなられた息子さんの話ばかりでした。金子光晴も、川路柳虹もわからないわたしだから、話の切り口を変えられたのかもしれないのですが(わたしの親と歳が近いし)。わたしはその位置が居心地よかったです。