暗い池に住み着く竜神。NGC4151にわずかに姿を見せる伝説的怪物の影。暗い闇。
想像、それでもなお、印刷された言葉は、伝承された言葉には追い付けない。
紙に記された光は、口伝された、年齢不詳の永劫の忘却にはかなわない。
知るための想像は、浮かび上がる光の点によってしかなされない。
その筋道、もしくはグーテンベルクによって開発された大量生産の源泉は、想像力の欠如と、真実の情報を同一の物と目される。
すなわち、想像とは安易なメロドラマである、と。
切り刻まれた情報を、再び織りなされる記憶のコラージュ。
-われわれに与えられているのはただ「35ミリの単なる長方形」だけであり、それが形作るの全体のイメージではなく、不完全なイメージ、現実の一側面の断片「イメージ、それでもなお」ユベルマン-
もぎ取られた四枚の長方形の光の裏側に潜む、巨大な怪物。光の王と、その闇の女王。
光の王を語る書物は、焼失することはないが、闇の女王はその光さえも吸い込む。永劫の忘却の中に。
闇は彼岸に続く唯一の道であり、光に照らされる境界線を溶かす。
光と都市アボメと闇の都市カナ
天の川に散らばる数億の太陽と、それらを永劫の忘却へと誘い込む、巨大な怪物。
巨大な政治的境界線上に作られた、海と山を結ぶ国道113号線。
3つの未知を束ねる東港線から、空へと解き放つ新潟飛行場道路へと名を変える。
大きく立ちはだかる闇を貫く、小国街道、七ヶ宿街道。
日本で最後に発見された村、かつては陸奥、出羽の参勤交代で栄えた宿場町、
それらを越えると、山の中に桃源郷は存在する。
黄金に輝く秋は、奥羽山脈、吾妻連峰、飯豊連峰、朝日連峰に遮られ、
縦断する最上川は、彼岸へと続く長い一本道だ。
山の側面を掘り起こした、砂利取り場から持ち出された地は、異郷の国道の礎となり、
あらゆる都市を毛細血管のように繋ぐ。
持ち出された地の跡、
ビアガーデンの祝杯と、夜の闇に飲まれる。
「飲んでも飲まれるな」式の標語。
山から落ちてくる飲酒運転がぶつけるものは
秋の田の刈穂!
50m以上の距離で配置された電灯が包み隠す
闇の怪物たち。
故郷の記憶が権力を永劫の忘却に導く。
書かれた言葉、語られた言葉に
コピーライトは不在だ。
蛙が鳴いているのか?
鳥が鳴いているのか。
一切の闇のなか、
点在する民家の光を頼りに
生物は鳴き声をあげる。
誰のためにか?
彼らにインセンティブはあるのか?
著作権が、彼らの鳴き声に適用されるまで、
夜の怪物は、僕の著作権を永劫の忘却へと導く。