中平卓馬『キリカエ』展に関する覚書/DNA
 
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- 「Y」
中平卓馬のちかごろの写真を観るとき、中平卓馬にまつわるイメージを切り離して、それを観ることはできません。それは他の著名写真家の写真を観る場合にも感じることではあるのですが、中平卓馬に対しては、とくに強くそれを感じます。それは、中平卓馬固有の面白さでは無いかとさえ思えてくるほどのものです。ただ逆にいうと、写真そのものの面白さとしてはどうなんだろう、という自問にも繋がってくることではあるのですが。
 
作者より:
ここ最近の中平卓馬の写真(『原点復帰』展以降)に関しては、わたしは過去の中平卓馬なる人物の来歴にあまり拘泥せずにみています。『なぜ植物図鑑か』等の彼の文章を非常に明晰なものとして好んでいますが、書かれたものともまた切れたところでみていますね。もちろん、『カメラになった男―写真家、中平卓馬』のなかで描かれるかれのひととなりや挙措にも非常に魅かれはするのですが。

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