かもしか、君が好きだよ。/チアーヌ
アラガイsさんのコメント

手術台の上で麻酔薬を打たれる。これから医師に命の選択を委譲しなければならない。まるでまな板の鯉になった気分だ。麻酔が少しずつ効いてくれば、あたまの中では心地よい幻想が拡がり、小川を挟んで野原に咲くお花畑。佇んでいる手前のわたし。川向こうには草を食むかもしかがみえる。わたしは眠りにつく前に大きなキャンバスになっていた。そして24色の塊が無意識に溶け合い、はじめて物語を意識する。わたしの指先で動きまわる看護師や医師たち。瞑想から逃げ出すには時間が重かった。悔いと感謝の気持ちからひとすじの涙が頬を伝う。朦朧と夢が終わりを告げる。小さな日だまりの中で、大きなかもしかの顔が微笑んでみえた 。
というような、拙い迷走詩的感想文です。