去りゆくものたち、生まれくるものたち/あおば
藤鈴呼さんのコメント
私が勝手に読み間違えたのであるが「ザル」を「ゲル」と呼んでしまって「ハテ、ゲルとは何ぞや」と不思議な面持ちで読み進める。ゲルから連想した白くにゅるにゅるとして冷たい液体と固体の愛の子を思い出す途中で砂時計のように何かがさらさらと流れ落ちて行く。その隙間に黒曜石の美しい光が浮かんで蛍光灯で透かして見得た世界観を思い起こす。昔矢じりとして使われたと説明を受けた黒曜石は案外と山の隅で大量に眠っているようで、登山のミッションを越えれば意外と簡単に会えそうなのですが、ひょんなことで忘れてしまう当たりくじの存在みたいに普段は大人しく目立たぬ存在なのですね。