ポイントについて/水菜
深水遊脚さんのコメント
 言葉にならないとき、言葉にしようとすると嘘になります。ポイントはそんなとき便利ですね。でも嘘にならない言葉を探すのが本当はいいのかもしれません。しなければならないという強迫観念は不要で、有害ですが。

 いまこのときのポイントの意図を明確になさっても、一月後のご自身の意図は違うかもしれませんし、作品ごとにも違ってくるものです。そこは固定することもないかと思います。 わたしなどはいい加減にポイントで済ませていますが、嘘にならない言葉を敢えて探すのもいいものですよ。自分の使える言葉は確実に増えます。

 受け取るのは生身の人間で、ポイントは分かりやすい賛辞で、コメントは受け取る人間の気分次第で大事にもされ、憎まれもします。大事にされる場合もひどく誤解されていたりします。そのような生身の人間相手の愛憎より、作品と、それに対峙する読者としての自身の思考、身体をみつめるとよいのだと思います。生身の人間相手の愛憎というものは屡々錯覚です。でも作品とそれに対峙する自分自身は確かなものです。