「反逆する読者」宣言/KETIPA
大村 浩一さんのコメント
 発想が温順無難と見える私的心象風景に密着する詩が多いのは、昨今の殺伐とした世相の反映とも言えるでしょうし、田中一村の絵をヒロ・ヤマガタと同列に扱いたがるような公衆の場での扱い易さに、マスコミも作り手も流される傾向にあるからだと私は思うのですが。それを詩や創作の当然の主流と見なすような風潮があるのだとすれば、KEIPAさん同様、私も困惑します。
 私にとって80年代前半の現代詩はプログレでありパンクであって、似たような私的な単語を反復するだけの堕落した大衆歌謡とは違っていたんです。

 他方最近の私は、温順に潜む刃を看過する愚を犯すべからず、とも思っています。見てくれだけの前衛には振り回されたくない。
 音楽のように細かくジャンル分けして棲み分ければ、コニュニティの問題としては済むのかもしれませんが。私としては世界全体の変化の中で共通に現れてくる問題や現象のほうに、むしろ興味があります。