きれいなものたちへ/由比良 倖
おぼろんさんのコメント
この詩に表れている孤独感は、「きれいなものたち」との対比としてあるのでしょうか。最初のほうの詩句に、わたしはなぜかマラルメの匂いを感じました。それが、だんだんパリの憂鬱っぽくなってきて……。「誰か、誰か……その誰かを私は知らない。」で、現代詩に。今は、目の前に見ている画面のなかの存在も、遠くて近い、近くて遠い存在だという、そんな感慨を抱きました。わたしは「詩」という言葉が出てくる詩があまり好きではないのですが、この詩は違和感なく読めました。