千年の海/田中修子
白島真さんのコメント
これでショートストーリー読むのは3作目だけど
いずれも飽きずに一気に読んでしまいます。
私はshuukoさんの詩のファンでもあるけど、
最近はショートのファンになりました。
前作も今作も壮大な散文詩だね。

>外の世界なんか、私はもういらない!」
>(……外の世界に必要とされていないのは、本当は私ね

絶えずこのような自己を洞察する客観的な視線が備わっているので、作品を甘くしてないのでしょう。
世界に対する謙虚さ、あるいは不安な定位と言い換えてもいい。

>されこうべにしばらく頬擦りしてから、そっと指輪を持ち上げました。
こういう箇所もそう。破滅的なものに憧れるのは人間に本来備わったもの。(フロイトを持ち出すまでもなく)ここではそういう衝動が徒に主張されることなく
当たり前のようにそっと置かれています。そこが凄い!!
次作も大いに期待したいです。
---2017/01/09 16:20追記---
---2017/01/09 18:42追記---
自己破滅を含んだ上での究極の愛の物語、と補足しておきます。