薄明の中で(十三)/朧月夜朧月夜さんのコメント
いつもお読みくださりありがとうございます。
>ひだかたけし様
はい。実は今後のストーリーにも関わることなので、「言語崩壊」については、あまり詳しく書きたくないのです。でも、ネット小説の特性上、思い切って書いてしまいましょう。「言語崩壊」は、旧約聖書の「バベルの塔」の逸話を踏襲、あるいはパロディ化して書いたものです。「それまで一つの言葉で話していた人間が、別々の言葉で話すようになった」と、旧約聖書には書かれていますね。この物語では、「それまで多くの言葉で話していた人間が、全ての言葉を失った」事象、として、「言語崩壊」を描いています。すなわち、人間は身振り手振りやテレパシーのようなものでしか、意思交換が出来なくなってしまったのです(本に書かれているような文字すら、一部の人間を除いて読めなくなってしまった。すなわち、動物としての人間への回帰です)。その後、人の心でさえも魔術によって推し量ることが出来るような、「魔導士」たちが台頭して来ます。この世界は、そんな魔導士たちが台頭し、ある者は貴族になり、この世界を支配しているような世界なんです。だから、庶民たちは魔導士(ウィザム)を嫌い、憎悪する。そこで登場するのが、エインスンベルという主人公です。わたしは、彼女を世界から憎悪される存在として書きたかったんです。この物語は科学に対する批判でもあり、単純な冒険譚でもあります。この「言語崩壊」というギミックは、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」というゲーム、その中でも「フォーゴトゥン・レルム」という世界における、「呪文崩壊」というギミックを参考にしました。まあ、言ってしまえば「パクった」のです。今のわたしはオリジナリティーということにあまり拘泥していないので。もう少し書くと、映画やドラマなどでは、異種族間でも一つの言葉で話していたりしますよね。それに対して様々な説明をしている作品もあります。ですが、ここでは思い切って、「異なる種族でも、話すのは単一の言語でしかない」ということにしてしまおう、と。その言語は、「言語崩壊」以降に、魔導士たちが数百年かかって作り上げた言語です。そのことをわたしはすでに書いたかどうか……ちょっと思い出せません。そこらへんは、「ファンタジー」として、好きに妄想していただければ、と思う部分でもあります。長く書いてしまいました。お答えになっていますでしょうか?
追記ですが。「言語崩壊」そして「魔法」も、行き過ぎた科学の結果です。寓意的な意味を読み取りたい、という思いでしたら、そんなふうに考えていただければと思います。