愛しのサチコ/ふじりゅうふじりゅうさんのコメント
サチコ(本名 幸子)は、思春期の初々しさや青春の青さと熱さが滲んでひとつになったような季節に過剰な憧れを抱き、ベッドの上で喘ぎ声を上げながら、本当の愛をひたすらに求めています。しかし彼女にとっての本当の愛とは「青春」っぽい愛であり、結局は恋に恋しているだけなのであります。
他方で、男は欲望のままに幸子を犯しているだけであり、彼の中での愛は偽りそのものでもあります。そんな彼が呼びかける名前は幸子ではなくサチコであり、彼女の本当を見ようとせず自分ありきの、自分のフィルターにかけた上での彼女なのです。
ぬいぐるの中のワタを幸子の裸体と表現しましたが、幸子にとっては元々自分の裸体は内蔵のようなものであり、他人に触れられることそのものが、心のどこかで嫌だと思っているのでしょう。しかし、男の方もそれを分かっているからこそ男のパート(,---より上)でこの表現が出てきたわけであり、ある意味男は幸子の一部の真実を分かっているのだが上で犯しているのかも知れません。