空白/sample
sampleさんのコメント
新貝 常さん


わたしが住む街と
わたしがうまれた街それぞれに
赤いまちばりを刺して
そのあいだの海岸線を
指でなぞってゆきます。

新しい朝がやってくるたびに
貝殻をひとつ拾いあげ
常日頃から聞きなれた
水の呼吸や
枝葉がまばたきする音
そんな生活を聴いていました。

空と海のあいだにある空白に
七色の足あとを描いて
わたしをからだをそめるものは
一本の白い色鉛筆であったら
いいなと思います。