いつからか部屋は
水槽、で
ガラス越しに燃えている
赤、また、赤
近寄るとそれは窓で、
背伸びしたそのとき
窓枠は壊れ
緑色、流れて、
流れて、
緑色をのぞきこむもの
も、 ....
まだまだ不器用な
あいちゃんの手では
線香花火の玉が
もう少し
と思うところで
ふっ
と下に落ちる
もう少しで
ひとつの場面が見える
もう少し ....
ペン一本で食べていくなんて
まるで夢のような話だけど
これが二本になると
きわめて現実的な話になる
とはいうものの
アメリカ人の私にはちょっとつらい
デスネ
オスカマキリが泣いているから慰めたら喰われかけた
彼女は僕を餌としか見てくれない
あの甘い日々は偽りだったのかと
嘆くオスカマキリの目の色は次第に変わる
新手の罠か
危ない、危ない
課長!
ネジ一本!
はずれてますわたし!
休です!
特に意味も無く
いい作品に刺激されて
書いてみたくなった
良い作品はやはり心躍るもので
自分の作品との差はどのへんか探りたくなるもので
何かを残したくて
しかし
....
どこにでもあるマンホール
片隅を見ると表札のように名前が彫ってある
吉井さんや渡辺さん、それに森谷さんもいる
一度だけ石田さんの家に行った
中々居心地がよかった
電信柱から突き出る変な形 ....
占い師のバラードで混み始める市役所
1/60億 分母そんなにいらない
猫おっかけて風になったどうしよう
「人間」だなんて、もっと軽々しい名詞でいい
....
ひかりが あふれている
どこか
この あおいそらの むこうで
うつくしい こどもたちが
わらいながら あそんでいる
そんな きもちになる
ずっとここに住んでいる
ここがどこなのか
わたしにはよくわからないけれど
アル日
ここに
白い服を着た
顔のない誰かが
わたしを連れてきてくれた
わたしの手を引いて
それからずっ ....
兄は云う
この井戸を掘り返してなるものか、
と。
野井戸はけして深くなく、
雨水が満ちているのだが。
野井戸はすでに開かれて、
....
氷の指輪
転がした
真夏の坂の上から
輝きながら
回った
きらきら
くるんくるん
きらきら
くるんくるん
氷の指輪
縮んだ
太陽とコンクリの間 ....
春が
わたしの中に入ると
増えます
やがて溢れ出して
玄関では靴が
遊びたそうにしています
黒というよりかは藍色の夜空を羽虫が通過した。深夜のコンビニエンスストアー。壁面ガラスには黒い点が、わさわさしている。ため息をつきながら、私はキンチョールの煙をその点々に振りかけていく、そうして落ちて ....
1
無印の裏の自動販売機に
たまに売ってるオタマジャクシみたいなの
120円入れたら二個出てきたから
ポケットに入れて家に帰ると
一個死んでた
2
確定申告を出した帰 ....
小学三年生の僕は、あの日塀の陰からそれを見ていた。近所に人通りのない裏道があり、そこのマンホールの穴に見知らぬおじさんが糸を垂らしていた。時おり引き上げては何かを取り外しているようだが、僕がいたとこ ....
あの街で暮らす為
奴は売人になった
フランスパンの
売人って言葉に敏感になれるなら
潜む危険も嗅ぎ分けられる
気付ける事に気付かない時の無防備さ
足元に注意し過ぎて傘を忘れたり ....
姉の友達の犬が子供を産んだって…
それが君との出会い
お礼にケーキを渡しただけで
お金なんてかからなかった
君が教えてくれた
犬と暮らすことの喜び
命の尊さ
犬の価値は種類や値段じゃないってこと ....
マル帰っておいで
マル帰っておいで
マル帰っておいで
ちょっと気が向いて散歩にでただけだよね?
ちょっと気が向いて散歩にでただけだよね?
マル帰っておいで
マル帰っておいで
マル ....
はらはらと
触れたら
落ちた
ピンクの薔薇の花びら
ひとつずつ
水に流して
花占い
すき きらい すき きらい... すき きらい..すき
さ ....
冷蔵庫の中には青空が広がっていたので
君は買ってきたゼリーを冷凍庫に入れるしかない
冷凍庫は満杯でゼリーをしまうスペースをつくるために
君は肉の塊を取り出す
いつ買った肉なのかすっかり ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
ワンルーム
ペンダント
けす つける
けす
昼下がりの
暗がり
ワンルーム
雨音
ふぶき
バイク水しぶき
ラジオ
けす つける
けす
小机
頬杖
ひだり
や ....
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