すべてのおすすめ
満月は嫌い
君はあの山のもっとずっと向こうにいる
月が欠けたら
その余白に君への思いを書いて送るから
今日も一緒に
同じ月を見ようよ
手打ちうどんをひたすらに打つ
真っ白な君の事を考えながら
手打ちうどんを
もち肌、もち肌と重宝されてるらしいが
もし手打ちうどんがお餅つきと同じくらいに
メジャーな催しとなった場合
....
探さないことが
見つかるための理由で
同じような意味が
欲しがるその理由なんでしょう
隠さないことが
本音を守る手段で
落ち着いた引力に
囁いていた悪魔さえ寂しがる
終電を逃す ....
星砂の夕べ
ファクスからでてきた
きみが
あんまりうすっぺらで
それはそれは
過日の約束ほどに
ぺらぺらだったので
ぼくは
受信エラー。
とだけ 書いて
南の窓から ....
手を合わせて下さい
いただきます
お前なあ
食べるの遅すぎやで
普通なあ
先輩より先に食べ初めて
先に食べ終わるもんやぞ
猫舌とか言うてもなあ
現場じゃあ
通用せえへんぞ
....
逢いたさは
距離に比例する
忙しさの倍数である
ひとりの夜には
二乗される
愛情という
未知の定数を持つ
この方程式を解きなさい
飛行機も
新幹線も使わずに
....
嵐のいった後はいつも
いろんなものが電線に引っかかっていて
奇妙な陰だとか
擦り切れた音だとか
さっきまで巻かれていた自由なもの
全部
西日を受けてしなだれている
多分みんなが
風 ....
しねぇ
しねねぇ
からからの空気の中で
やべえ俺18歳だった
呼吸してやがる
目も覚まさねぇ
やべえ俺オカマだった
おほほほほほほほ
プッチンプリンのでっかいの
食ってる時が ....
ポストを開けて
そこにはたくさんの幸せがあるから
桜が知らせる春の訪れ
かたつむりが運ぶ梅雨のお便り
時々ポストで休むわたし
目の前でぐるぐる渦を巻く子供達に注意して
幸せが来るのを待って ....
誰の所有でもない
扇風機が回っている
建売の新築住宅の壁にこびりついた
電信柱の影は
皮膚病
二階の窒息のベランダに干された
布団は
....
いつからか部屋は
水槽、で
ガラス越しに燃えている
赤、また、赤
近寄るとそれは窓で、
背伸びしたそのとき
窓枠は壊れ
緑色、流れて、
流れて、
緑色をのぞきこむもの
も、 ....
まだまだ不器用な
あいちゃんの手では
線香花火の玉が
もう少し
と思うところで
ふっ
と下に落ちる
もう少しで
ひとつの場面が見える
もう少し ....
ペン一本で食べていくなんて
まるで夢のような話だけど
これが二本になると
きわめて現実的な話になる
とはいうものの
アメリカ人の私にはちょっとつらい
デスネ
オスカマキリが泣いているから慰めたら喰われかけた
彼女は僕を餌としか見てくれない
あの甘い日々は偽りだったのかと
嘆くオスカマキリの目の色は次第に変わる
新手の罠か
危ない、危ない
どこにでもあるマンホール
片隅を見ると表札のように名前が彫ってある
吉井さんや渡辺さん、それに森谷さんもいる
一度だけ石田さんの家に行った
中々居心地がよかった
電信柱から突き出る変な形 ....
ひかりが あふれている
どこか
この あおいそらの むこうで
うつくしい こどもたちが
わらいながら あそんでいる
そんな きもちになる
ずっとここに住んでいる
ここがどこなのか
わたしにはよくわからないけれど
アル日
ここに
白い服を着た
顔のない誰かが
わたしを連れてきてくれた
わたしの手を引いて
それからずっ ....
氷の指輪
転がした
真夏の坂の上から
輝きながら
回った
きらきら
くるんくるん
きらきら
くるんくるん
氷の指輪
縮んだ
太陽とコンクリの間 ....
春が
わたしの中に入ると
増えます
やがて溢れ出して
玄関では靴が
遊びたそうにしています
1
無印の裏の自動販売機に
たまに売ってるオタマジャクシみたいなの
120円入れたら二個出てきたから
ポケットに入れて家に帰ると
一個死んでた
2
確定申告を出した帰 ....
あの街で暮らす為
奴は売人になった
フランスパンの
売人って言葉に敏感になれるなら
潜む危険も嗅ぎ分けられる
気付ける事に気付かない時の無防備さ
足元に注意し過ぎて傘を忘れたり ....
冷蔵庫の中には青空が広がっていたので
君は買ってきたゼリーを冷凍庫に入れるしかない
冷凍庫は満杯でゼリーをしまうスペースをつくるために
君は肉の塊を取り出す
いつ買った肉なのかすっかり ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
ワンルーム
ペンダント
けす つける
けす
昼下がりの
暗がり
ワンルーム
雨音
ふぶき
バイク水しぶき
ラジオ
けす つける
けす
小机
頬杖
ひだり
や ....
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