雪が融ければ ぼくは
陽射しを探しながら
現れた冬の排泄物に
いつものようにがっかりするだろう

春が 出入りする雀のように
あちこちでさえずる時
ぼくは自分の年齢を思い出して
陽炎が ....
ちょっと悲しいから
悲しみ飲みました
一杯やるかって
そんな気分でした

みんなとかぜんぶとかそういう
言葉をぶちまけて
ぐちゃぐちゃにかきまぜたら
いろんな色になりました

はじ ....
たねは
ねむっている
どんなゆめをみているのだろう

たねが
かぜにとばされた
すこしふあんになってふりかえる

たねのきおくは
らせんのようにつながっている

たねは
たびを ....
私の頭に
時々帽子がぷらりと帰ってくるよ

遠い昔
だれかが
私の髪の毛をくしゃくしゃっと
した時の
あの切ないような感触を
私の頭は覚えているよ

みんな
自分のことだけで精一 ....
そう言えば雨が降り出し孤独感背負ったものが重くなる夜

横顔があなたの心表して日向に浮かぶ哀しみの影

指先で君の心に愛と書く短い恋にならないように

ざらざらの心を癒やす白い花布団 ....
子供の頃
古めかしい三面鏡が
部屋の隅にありました

木目模様の板に貼られた
三枚の鏡はそれぞれに
蝶番によってつながっていて可動式でした

普段は折りたたまれているのだけれど
ぱた ....
吹き荒ぶ二月の夕刻
山裾の疎らな住宅を
訪問営業でまわるのは
 実に 切ない
長靴ギリギリの雪をこぎ
通りから玄関までの細道を通りぬけ
もはや顔面がかじかみ
鼻水が垂れている感覚すらない ....
言葉なんて
なんの役にも立たない夜があった
抱き合った体温が
生きている今を
実感する唯一の術であると
感じた夜があった

舌と舌が出会い
いくつもの嘘を従えて
口腔内で生まれ出た言 ....
今朝も
様々な具材を乗せて
すし詰め電車が
発車していきます

季節は冬ゆえ
暗い彩りになることは
ご容赦いただきます

味は
休日明けゆえ保証します
たらふくご馳走を腹に溜め込 ....
わたしは愚者を代表して 今日
自由と愚者と風についての箴言をここに記す

自由とは
どんな法則よりも 尊く
厳粛な 掟である

死を予感させる風が吹き
枯木たちは一斉にガサガサと喋りだ ....
やはり
マグロは天然ものにかぎるなあ
などと
食通を気取る人が言う

今時は
くるくる廻る寿司屋にも
天然ものが
マシーンで握られた
しゃりの上に鎮座している

人間こそ
全て ....
水溜りに映った 贋物の太陽
掌を伸ばせば 掴めると思った空色の毛布
わたしのHPはどんどん下がってく
生温い脱力感で 目を瞑る

極楽鳥の歌 極彩色の夢 
オルゴールのネジを巻いたら 
 ....
悲しみの蓋は
いつのまにか
ぱたり、と
しまる

しめようと 
やっきになっている時には
その蝶番を
がたがた いわして
頑として 拒否するくせに
ふと気づいたら
ことり、と
 ....
寒さが緩むと
凍りついていた月光が溶け出して
暗い穴の中にも
虫たちの道を通って

滴り

滴って

ヒグマは

浅い眠りの中で
霞がかった
春の野山を

夢に見る

 ....
寒いのは苦手です
そう言っておきながら
実は
冬になると 妙に心が安らぐのです

夏の太陽は
いつでも元気いっぱいで
近くに居すぎると
私の中の水分が蒸発していくのが
わかります
 ....
人という字は支え合っている
同時に
人という字は依存しあっている
人ゆえに

どちらが
依存する度合いが多いのだろう
右側? 左側?
一見すると だんぜん左側のようであるが
実は
 ....
{画像=120115084740.jpg}
なにかを磨こうとして
氷柱になった

なにかを磨こうとして
尖った剣になった

強く生きていくには
どれだけ磨けばいいのだろう

強く ....
僕は何者だろうね

木々を揺らす風ほどにも君に触れない

愛を語るほど詩人になれない


スケアクロウがお似合い

僕の言葉は藁人形の独白


ホイットマンにもアレンギンズバー ....
あなたという詩集を読む
ページをめくるごとに
あなたは姿を変える
それは紛れもなくあなただ

湖面に張った氷の下で
微かにあなたの体温を感じている
あなたはぼくをぎりぎりまで追い詰める
 ....
朝であるのにともしびを燈すのは

なぜなんだろう

どうしてなんだろう

こんなにも

世界はエネルギーに満ちているのに


ぼくらは365分の1の確率で

誕生日をもらって ....
砂浜に埋めてきたものは
なんでしょう

恋を謳った 小さな貝殻
光なくして落ちた 星の骸
流れ着いた 白い骨
異国の文字が書かれた さびぬれた空き缶

最後に埋められるものは
なんで ....
幾度か巡ってくる夜に
海になりたいと願う
十六夜の月など見たことがないのに
叶わぬ永遠を願っている

いつかはあなたの海になって  ....
かがり火が灯る冬の夜
どこかで
誰かが泣いています

寒々とした出窓に置かれた
ピエロのオルゲエル人形
1ミリたりとも動くことはありません
ネジを巻かれたのは
いつだったか
もう思い ....
踏ん張ってくれ

行動がとれるまで

どうか踏ん張ってくれ


無生物のきみたちに

祈りが通じてしまうようでは

世界はあまりに脆すぎるかも知れない

でも祈りというものが ....
心の奥底から
ぼこん ぼこん 
呻くように
呟くように
一つ 
また一つ
上がってくる
白いあぶくを
押しつぶす
日々の生業に
心を添わせようと

外側は
辛うじて
規格品 ....
深呼吸したら
小さな虫まで
吸い込んで思わずむせた
むせて吐いた
吐いて笑った
笑い続けたら
可笑しくて
ついに涙が出てきた

ついさっきまで
悲しかったはずなのに

ほんとに ....
一年の最後に
日めくりカレンダーは
ちょっとさみしげに
でも満足げに
最後の仕事を終えた

一日は
吹けばとぶような
薄っぺらい紙だったのに
過ぎ去ってみれば
こんなに厚い
めく ....
月は敵でも味方でもない
その光は冷え切ったこの身を温めてはくれない
ただいつも美しく
いつも見つめてくれるだけ
月は訴えることはしない
だが証人にもなってはくれない
寡黙な隣人だ
星もそ ....
 年末ドライブ

濡れし街ひとまわり
雨上がりに陽の照る
運命の曲は流れて
雲の湖岸を左手にて

いまだ燃えなき
心を持ちて
今日の旅
酒を慎もう

近江富士
たたずむ向こう ....
詩人たちよ

雨が落ちてくるように言葉は降ってくるのだよ

時に水滴を凍らせ沢山の結晶をまきちらすのは僕らの魂

手探りで取り出した心臓の鼓動に空の波動と風の色がにシンクロするまで

 ....
たにいさんのおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春はその子供たちを見つめ続けている- ただのみ ...自由詩11*12-2-5
ランナー- 朧月自由詩512-2-4
たね- そらの珊 ...自由詩812-2-4
帽子- そらの珊 ...自由詩9*12-2-4
背負ったもの- 夏川ゆう短歌112-2-3
三面鏡- そらの珊 ...自由詩10+*12-2-3
かまぼこ型_どんぶり型- ただのみ ...自由詩19*12-2-2
HELP- そらの珊 ...自由詩10*12-2-1
人間巻き- そらの珊 ...自由詩13*12-1-31
自由と愚者と風と- ただのみ ...自由詩7*12-1-30
人間市場- そらの珊 ...自由詩8*12-1-30
【_デジャ・ヴ_】- 泡沫恋歌自由詩8*12-1-29
あまのじゃく- そらの珊 ...自由詩9*12-1-28
浅き眠りに見る夢- ただのみ ...自由詩12*12-1-22
冬眠- そらの珊 ...自由詩7*12-1-20
共依存- そらの珊 ...自由詩6*12-1-18
round_shape- そらの珊 ...自由詩5*12-1-15
優しく哀しく世界をうたう- 梅昆布茶自由詩1012-1-13
あなたという詩集を読む- ただのみ ...自由詩20*12-1-12
ともしび- 吉岡ペペ ...自由詩912-1-12
埋葬- そらの珊 ...自由詩10*12-1-12
『海になる』- あおい満 ...自由詩11*12-1-10
かがり火が灯る冬の夜に- そらの珊 ...自由詩16+*12-1-10
祈り- 吉岡ペペ ...自由詩4*12-1-9
この海は深く呼吸する- ただのみ ...自由詩12*12-1-8
不幸気取り- そらの珊 ...自由詩11*12-1-7
日めくりカレンダー- そらの珊 ...自由詩7*12-1-5
すべてが敵でも味方でもなく- ただのみ ...自由詩14*12-1-3
年末ドライブ- 生田 稔自由詩412-1-3
詩人- 梅昆布茶自由詩712-1-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3