冷たい窓ガラスに
一匹のヤモリがいた
わたしとヤモリは
互いの存在を
ほんの一瞬で認め合う
空気がほんの少しだけ
動いた気がした
目が合ったのだよ
確かに
あの時

人間と虫
 ....
冷えた世界で
燃え上がる身体が熱い
沸き立つ血に咲く薔薇は
皮膚を突き破って
あなたへの月を探す

握って、にぎって、
悲しみで切りつけたこの腕を
潰して、つぶして、
 ....
こんな潔癖に晴れた朝でも
新しいものなど何もないのだ
木にしても空にしても光にしても
すべては太古からの使い回し
真に新しいものなど何もなく
きわめて古いものが形を変え
手を変 ....
私たちは
けものではない
なにしろ皮膚だ
つるつるである

けものの毛は
毛の物の意味

皮膚は弱い
すぐに血が出る
寒いし
すべるし
仕方なく
衣服をまとい
靴をはいて
 ....
AVの延滞料で救えた命がある ――卵がない!
     よりによって

妻が亡くなってから 
最初の息子の誕生日
わたしは初めてオムライスを作った
息子の大好物
記憶の中の見よう見まねで
決していい出来ではなかった ....
価値を洗う

匿われた秘め事に添えられて
命の枝葉を派生させてきた
夜の露の中でしか満たされない静寂を
静かに土中へと引き寄せる

裏切りの奥を問い詰めれば
逃れられない渇望と
分か ....
お腹から卵を一つ取り出して 私は一つの「し」をつくる
月に向かって 卵を放り投げておくと
月は空で泪目になるころ 「し」をこぼす
私は卵を産むために 屋根裏部屋で猫とじゃれ合い
卵を夜 ....
香を焚き
疲れを癒やす
ゆうべには
ほんの少しの
笑みがただよう

五味六国
クイズのような
ゲームする
我が家のならい
静かにすぎる

伽羅を焚き
立ち食い蕎麦を
す ....
    蒼くて暗い水槽で
    浮かぶ海月のそのさまは
    まるでたましいのようなこと
    ふうわりとぷかぷかと
    あてどもなくぶらぶらと
    行きつく先もわ ....
KISSのことAって呼んでいる人の頭上に浮かぶ藤子不二雄A ビニール袋に
丸く尖ったものを
詰めていく。
手のひらは赤く腫れ上がる。
丸く尖ったものは殖えていくばかり。
急いで袋に詰めていく。
やがて袋に丸いものの先で刺した穴が開く。  ....
窓を少し開けて鏡の中を覗き込む
壁と中途半端な景色に私の顔が重なる
「今朝も生きているのだ」と思えば、
、また嫌な気分になる
それはそうと、口を大きく開けて鏡を見るのは勇気がいるのだ  ....
梅雨空の悲鳴
私の空はやけに立て付けが悪い
私は有無を言わさず空を閉じる
天国など空から見えるわけもなく
ただひたすら空は鈍色だ
君がどの辺(あたり)に上ってゆくのか
風が吹いている
ダ ....
自然にできたグループに分かれて
植民地時代のボストンの街並みを色画用紙で再現している
春陽に包まれた5年生の教室

その穏やかな空間に一瞬そよ風が吹いて
支援クラスに行っていた娘がひらりと入 ....
もう二度と出逢えない
雪のように溶けゆく理想達
狂想の瞳孔に映るのは
忘却の綿埃に覆われた部屋の明かり
そこに確かにあった愛を指でなぞり
世界が終わるまで決して連れ出さない
薄っぺらな紙に ....
今は動かない家電が動いていた頃、きみは子どもだった
今は子どもじゃないきみが子どもだった頃、きみは子どもだった
いらなくなったものは捨てたはずだけど
引き出しにとっておいたおもちゃは今でも必要な ....
『難破船』        あおい満月


(書きたいなら、食べなさい)

誰かの声に瞬きをすると硝子の壁の向こうに、
肉や魚や、
色とりどりに切り刻まれ、
煮込まれた野菜たち ....
それでも時は流れていく
ゆっくりと
淀みなく
立ち止まる想いを押しのけ
焦る足元も
掬いあげ

鳴り響く発車のベルの音
口ごもる詩を
何度も試み
置き去りにされる記憶を
追いかけ ....
おかしいななかなか来ない救急車やけに激しい風が吹いてる 移り気な紫陽花はぼくに語りかける
耳をそばだて聴いてみると
かすかに聴こえるけど
何を言っているのかわからない

紫陽花は黙っているが心地よい
語らずとも
ぼくはきみをみているのだか ....
歯の隙間気になるアワビ

明日は覚悟の鰻と勝負

苦手な刺し身妻に寄せ

誰が言おうと立ち食い蕎麦

胃を無くし鏡に映る骨格標本
血を分けた兄弟だからこそ解るバニーガールになりたがる兄 くろい満月が
手のひらに浮かんでいる
あたしの腕はあなだらけだ
あなのうえを歩いている
面接にいくまえに
立ち寄ったスターバックスの
本日の珈琲の黒いあなに
あたしはすいこ ....
蒸発しそこなった昨日の雨は
道路の上で
小さな鏡になり
今日を映している
赤犬がうわずみを飲むたびに
現れるさざ波は
やがて左岸に消える
わたしは
人生において しそこなったことの
 ....
刃で
切った左手
痛みが、
手から背中
脳髄に達するまでの
みじかい時間
はじめて、
檸檬の酸っぱさを
知った。
左目がつぶれていく
顔が崩れそうになる味
 ....
眼球に化けたる女朧月 手をとりあって
いちばん深い風の吹く場所へ行こう

其処には音楽のような樹と
祈りのような泉がある

手をとりあったまま
いちばん深い風に浄らかに吹かれて
たたずんでいればいい

 ....
やらなければならないこと
「やりたいこと」に変えていけるかどうか。
「やらなくていいこと」に変えていけるかどうか。


工夫に
工夫を重ねていけば
変わらないこともない リスク と  ....
嵐の夜に暗殺団が来る

飛び立つまえの雀の親子を狙うカラスのように

ネズミのように忍び込み寝てる間を襲うのはダメだ

殺るなら堂々と嵐の夜にだ


ノーモア・ヒロシマ!

ワン ....
イナエさんのおすすめリスト(3781)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
跳躍- そらの珊 ...自由詩17*15-6-29
三日月- あおい満 ...自由詩315-6-28
新しさ- 葉leaf自由詩215-6-28
ひふ感覚- umineko自由詩5*15-6-28
AVの延滞料で救えた命がある- 北大路京 ...自由詩915-6-28
『年中行事』__卵から始まるはな詩⑤- ただのみ ...自由詩15*15-6-27
◎価値を洗う- 由木名緒 ...自由詩11*15-6-27
屋根裏部屋で「し」を作る- 為平 澪自由詩1115-6-26
週末- レタス短歌2*15-6-26
蒼のなか- 石田とわ自由詩11*15-6-26
KISSのことAって呼んでいる人の頭上に浮かぶ藤子不二雄A- 北大路京 ...短歌715-6-26
十字架が浮かぶ島- あおい満 ...自由詩4*15-6-25
歯磨き- アラガイ ...自由詩10*15-6-25
挽歌- ……とあ ...自由詩10*15-6-24
ものさし- 夏美かを ...自由詩37*15-6-24
伴侶- 由木名緒 ...自由詩715-6-24
動かない家電のスケッチ- 中川達矢自由詩215-6-23
難破船- あおい満 ...自由詩8*15-6-23
快速- Lucy自由詩18*15-6-23
おかしいななかなか来ない救急車やけに激しい風が吹いてる- 北大路京 ...短歌315-6-23
紫陽花の君に- レタス自由詩115-6-21
かろうじて生きている- レタス俳句115-6-21
血を分けた兄弟だからこそ解るバニーガールになりたがる兄- 北大路京 ...短歌515-6-21
満月- あおい満 ...自由詩615-6-20
紫陽花の季節- そらの珊 ...自由詩1315-6-20
檸檬- あおい満 ...自由詩815-6-20
眼球に化けたる女朧月- 北大路京 ...俳句215-6-19
恢_復- 塔野夏子自由詩6*15-6-19
左に万変鏡_右に万幻鏡- komasen333自由詩3*15-6-19
嵐の夜の暗殺団- 吉岡ペペ ...自由詩315-6-19

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126