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結局のところあなたについて書くほかはないのだ。
選択肢は常に目の前にぶらさがる。
埃だらけ蜘蛛の巣だらけのシャンデリアみたいに、
ぶらりぶらりと。
肝臓の色をした月に腎臓型の雲がつかみかかる。 ....
バスにもたれて揺られていると
なつかしいひとが乗り込んできて
私のすぐ後ろの席に座っている

バスにもたれて揺られていると
いつのまにか、どの乗客たちも
花びらになって ....
この手紙があなたに届けばいいと思います。
お元気ですか。


こちらでは、毎日少しずつ、何かが消えていきます。
壊れるとか、崩れるとかいうのではなくて、
昨日までそこにあったものが、今 ....
情緒に問題あり、と
言われた、三者面談で
帰り道、お母さんが
泣いていた、自転車の
荷台で、情緒の意味を
分かりかねていた
テンイヤーズオールド


西日のまぶしさだけ
息が詰まっ ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
ウィリー、ウィリー、
どうか、
きみの名前を思い出してほしい

訪れる者もない、荒れた墓地で、
いつまであふれる愛を憎しみにかえて、
この世を呪いつづけるのかい?

ウィリー、ウィリー ....
/水膜現象

 ざざあ、と音を立てて降る雨の中を走っていた。暗い。フロントガラスにぶつかり続ける雨は視界を著しく遮り、ライトの届くその先を見通すことはできない。ワイパーがぞんざいに動き、僅かな間だ ....
回り続けて乾燥しきった〆鯖を見つめながら
ロイドは生物が嫌いだった事を思い出す
チキンラーメンに入れる卵でさえ
トロトロしてるのが許せない
そんな女だった事を思い出す
不器用にカクリカクリと ....
「宝くじ当たったんでここ辞めます」
山下がそう言った時
またいつものような嘘だと思った
だけど本当に次の日から
山下は工場に来なくなった
電話にも出なくなった

「彼女が出来ました」も
 ....
自分の名前を失くしてみた

自分の名前をてのひらにのせる
初めてちゃんと手にとってみたそれは
案外に硬く
今までそれを身に付けていたにしては
まだ馴染みきっていないような感じがした ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
(高架下で)
雨が静止する、ノイズは、
細かい
画家は絵を描き、___
作曲科は音符を記し、___
詩人は、川岸、
意味を、安楽死させる___



 ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
ある日
贈り物をしようと出掛けた
セーターを買いに行き
サイズを聞かれた
わたしは答えられない

靴屋に行き
やはりサイズを聞かれ
答えられない

ネクタイを買いに行って
好みの ....
「悲しい」と女が言うので
僕が代わりにに泣いてやった

「故郷へ帰りたい」と女が言うので
僕が一人で女の実家を訪ねてやった

「子供を産みたい」と女が言うので
僕が代わりに産んでやった
 ....
ハロー
いま、ぼくのそばにいる、コトバ、は
みどりいろをしています。
ハロー
もう、ハル、なんですから
きっとすべてがうまくいきます。
ぼくの、てのひらで、
コトバ、は、硝煙、の匂いに
 ....
休日のキッチンでイタリアンサラダを作っていると
天井から垂れ下がったホーテンベイリーが僕に囁く
「ちまきにしてしまえ」
しかし僕はちょうどその時
革命に参加しなかった無産階級のことを思っていた ....
屋上にいると からだはんぶんずつ消えていきそう ゆうしてっせんが空をてっぺんから
だめにする、僕のあしもとのおもみがなくなり、飛んでいく鳥の骨を抜きとってしまった、
「ひる」口にできない。つた ....
ぼくはまた、
何も生せなくて水を求めるばかりか。

 水をください、舟を洗うから ぼくが
 飲むのではありません。ぼくは
 ほとんど飲まない。
 砂漠で生まれたからです。


    ....
1.

男の精液ってさ タンク一杯の梅酒みたいだよね


タオルを集めていると香恵ちゃんがつぶやく


なにそれどういうこと

上の部屋に オーナーがおいてった梅酒があるんだけど
 ....
あおしんじゅの森は
樹海の森だったし

あたしはその結晶を とても美しいと思った
粒の小さい 白い涙のようなそれは
体に悪いと知っても
飲み込み続けるよりなかった


ゆるい雪のよう ....
裸身の雪が
ぼんやりとした
遠いほたるとなっておりてくるので

あまやかな
姉の匂いにみたされたまま
結露にぬれた窓の外をのぞく

(紙の野原で北風が笑っています)


雨の日の ....
わたしは幼女になって
あなたに誘拐されたい
ひらひらと
垢ずんでいく赤いスカート


ひとこともはなさない
あなたは
それに気付くことも
ない


わたしたちは
いつか家 ....
ときどき
夢を見る
宛先のない手紙が 今朝も玄関先で雨に濡れていた
拾い上げることなんてせずに
生温く灰色の空を見上げると
隣にいるプラスチツク製の幽霊が
不機 ....
街の境界で
2才児が、
空を裂いていた。人々のさまざまな傘が壊れだし
小さなハミング
ひびきにとらわれる、成長痛
からだの隅々で、こんなに軋むとは
思わなかったね
次から次へと間違いを正 ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ

軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
白い海触崖の上
見渡す限りさえぎるもののない
広大な草原の真中にいて
両手を広げ
はたはたと
羽ばたく鳥のまねをしてみたり
帆のように風をはらみ
さらに白い空の彼方へと
消え入りたいと ....
輪の裏で
小人の群れを掴み
握り潰す
手の端から
零れる体液を頬に塗ると
始まりと終わりの境界を見ることのない
私たちが
夕日を捕らえ
夜に
引きずり込んでいく
えりくすま、え ....
  やさしさと、            
  いつも呼んでいた
  傷つきやすいその心を
  やさしさだと、
  呼んでいたあなたの
  傷つきやすい心


  秋の終わりの
  ....
いえやす公
幕府をひらいてください

いにしえということばがすっかりと
きえさったあとで誰もが
赤いカーテンや黒いカーテンのむこうで
からごころのうたをうたっています

しかたないので ....
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