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いつものように夜を歩いている

星の瞬きをながめながら高台からくだってゆく

車や帰り道のひとと二三すれちがう

街のあかりは傾いている

最初の信号に出くわすと

すっかり道を歩 ....
きみよ詩人よ

きみよあばよ

あの港街にきみはいたのか

あの日のまえの晩

いい詩が書けたかなと星を見つめた

詩を書くために生まれてきたんだと

きみは夜のきらめきに運命 ....
タコ焼きやさんは足ぱんぱん

寒い日、雨の日、足ぱんぱん

市役所さんから立ち退き命令

とおりすがりの常連さんたち

ゆるい反対してくれるけれど

タコ焼きやさんは足ぱんぱん
 ....
政府に文句などない

最悪の事態なんて

タイムリーに通達されるわけない

四五時間後がいいとこだろう

それでも速いぐらいだろう

いま小田原の弟のところにいる

小田原から ....
深夜営業のサテン

ぼんやり夜道を見つめていた

店の明かりに照らされた冬のかっこう

面影がゆれて足早にすぎてゆく

幸福について考えていた


生きてゆく資格


そん ....
火山をあるいていた

手みたいなかたちに固まったそこここに

生き物たちの目みたいなオレンジ

そのままダイビングした

青いドーナツ珊瑚礁

ミルクティーはお月さま

首をか ....
夜をひとり歩いている

もう1時間はんになる

コンビニの袋がちりちり

さびしくないと言えば嘘になる


電車が音をたてている

町のあかりが点滅している

星が粗雑になっ ....
きょうお通夜です

あしたの告別式では弔辞を読みます

とりが啼いています

ゆきがななめに降っています


おとがこだましています

車のなかで泣いています

ひとの前では ....
イタリアあたりの城のまち

銀杏並木のまっすぐみちを

ピンクのバイシクルゆくよ

恋してるたぶんこれが恋だから


自転車なのにてくてくてくと

髪そめあげにゆくだけなのに
 ....
面白いことを言うと部長はわらっていた

目をとじたままわらっていた

腹水がベッドのしたに溜まっていた

なにかの拍子に一部が床にこぼれていた

それはあざやかな黄色だった

ダン ....
それは暴力だった

俺は暴力をふるっていたのだ

その事実が俺を黙らせた

宇宙は戦争のなかにいた

風が吹いていた

嵐の風だった

旗だ

蟻んこみたいなひとの群れだ
 ....
鏡の法則そんな名前のうすっぺらい本が

たしかに売れていたことがある

幸せだ!とか四六時中言ってろとか

そんなたぐいの内容だったか

鏡とはなんだろう

鏡はなにをうつすのだろ ....
あなたを応援する言葉のないオレだから

あなたを応援するには別れるしかなかった

応援する言葉のない場所から

あなたを応援しようとするじぶんを

オレはきらいになるいがい・・・・なか ....
みんな宇宙からもらった炭素でできている

みんな炭素の波動にすぎない

わたしは胃をこわしている

わたしは肝臓をこわしている

炭素がなにかの身代わりをしてくれている

炭素はた ....
おじさんの葬式にいった
もう何年も無沙汰していたおじさんが死んだのだった
ぼくは棋士にはならなかった
おじさんはずっと独身だった

泣けてきた
幸せとはなんだろう
ぼくが決めることではな ....
男の歌うファドがながれていた

それを聴きながらヨシミの逡巡を聞いていた

胸が痛いのはヨシミもおんなじだろう

部屋が明るかった

よく効く栄養ドリンクを飲んだあとのようだった

 ....
ねおきのうつろな鼻ごえは

のびやかな甘えたなこえだった

ベランダの空が切り取られていた


空綺麗


部屋がしずけさと懐かしさで冷えていた

ベランダぎわの植物たちがわら ....
耳をながあく描くだけで

なんでもうさぎになってしまう

うさぎは月のシンボルだ

まあるく明るいまん月は

まえあしみじかく描くだけで

なんでもうさぎになってしまう


 ....
旅をする彼女を空港まで送った

夕食をとり国際線のフロアへのエスカレーターで

<なにか約束したいな>と彼女がはにかんだ


こんどまた会う日の約束なのか

結婚の約束なのか

 ....
オリーブオイルの入ったビニール袋が

ちりちりと音をたてドアノブにかけられた

時間がなかった

呼び鈴も鳴らさなかった

ビニール袋だけが<存在>だった

胸のいたみは弾痕になっ ....
おてての小さなおんなのこは神様との約束をよく守った

だからおんなのこはいつも忙しかった

神様いがいの約束はたまに守れないこともあった

おんなのこはそのことでじぶんを責めることがあった ....
いとしあの娘のおそい夕食

いとしのタラコスパゲッティ

すこしのびすぎたのは

洗い物がたまってたせい

タラコがこまかくからんでる

海苔も醤油もオリーブオイルも

カルピ ....
ひとりでふたりぼっちになるよりも

ふたりでふたりぼっちでいるほうが

あったかくてやさしくてなつかしい


今という時間に

ふたりでいれば

集中できたんだ


ひとり ....
おんなとわたしもまた

時間や空間や生命のいちぶをなした

ちいさな文明にちがいなかった


川は文明のゆりかごだ

ヴォルガをみつめていてそんなことを考えていた

青と灰いろに ....
ふつう、とはなんだろう?

ふつう、でないことに人はひとり傷ついている

ふつう、そんなものあるのだろうか?

俺はそれを見つけたのだろうか

ふつう、ではない人はどうしたらいいのだろ ....
この雄大な大地に拮抗しうる音楽は

中島みゆきでもモーツァルトでもなく

チャイコフスキーの交響曲第五番だけだった

そんなかっこいいコピーがあった

今朝これをガンガンにかけた車か ....
誤解されて

ひとの役に立てなくなるようなとき

この詩を口ずさんで

しずかな気持ちになるのが好きです

脱力して

まるではだかで抱き合うように

お喋りしながら

ま ....
参列者たちの白菊が

たどたどしく棺のなかに置かれてゆく

係の女がさいご

華やかいろの献花で棺をあふれさせる

そしてそこにふたを載せた


いちばん気掛かりだったのは

 ....
ふたりでぼくの追憶を旅した

おりた駅はさまがわりしていて

33年まえの町並みは

もう少し長かった

もう少し広かった

ぼくが大きくなったのだろう

記憶も比例していたの ....
伊藤くんがなにかべつの存在に入れ代わっていた

双眸にうかんだ青い月影

柔和に引きつれた微笑にそれが凄絶をあたえている

土蔵の板窓が震えているのは僕のふるえでも風で起こったものでもなか ....
乾 加津也さんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(106)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
悲しみのかたち- 吉岡ペペ ...自由詩511-3-31
きみよあばよ- 吉岡ペペ ...自由詩111-3-29
きみのメルヘン- 吉岡ペペ ...自由詩611-3-21
小田原城にて- 吉岡ペペ ...自由詩311-3-14
幸福- 吉岡ペペ ...自由詩411-3-5
伝えたいことがある- 吉岡ペペ ...自由詩311-2-24
こんなことでこんなところで- 吉岡ペペ ...自由詩511-2-23
許し- 吉岡ペペ ...自由詩711-2-15
星が澄む- 吉岡ペペ ...自由詩111-2-5
大好き- 吉岡ペペ ...自由詩411-2-2
生きる資格- 吉岡ペペ ...自由詩111-1-29
鏡の法則- 吉岡ペペ ...自由詩111-1-28
言葉のない場所- 吉岡ペペ ...自由詩211-1-25
暗黒のうた- 吉岡ペペ ...自由詩1011-1-22
夏の思い出- 吉岡ペペ ...自由詩611-1-10
音のない洞窟- 吉岡ペペ ...自由詩411-1-5
空綺麗- 吉岡ペペ ...自由詩511-1-2
うさぎ大好き- 吉岡ペペ ...自由詩511-1-1
約束- 吉岡ペペ ...自由詩410-12-24
使命- 吉岡ペペ ...自由詩310-12-14
神様との約束- 吉岡ペペ ...自由詩110-12-11
いとしのタラコスパゲッティ- 吉岡ペペ ...自由詩410-11-23
ふたりぼっち- 吉岡ペペ ...自由詩1210-11-15
ヴォルガ考- 吉岡ペペ ...自由詩610-11-13
音楽会- 吉岡ペペ ...自由詩410-11-8
交響曲第五番- 吉岡ペペ ...自由詩410-10-29
八木重吉の『雨』- 吉岡ペペ ...自由詩710-10-19
花のゆくえ- 吉岡ペペ ...自由詩210-10-14
キス- 吉岡ペペ ...自由詩210-10-12
白い白い土蔵のなかで- 吉岡ペペ ...自由詩510-10-6

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