蝉しぐれが猛暑をかきたてる
冷房は好みではないので
網戸からのかぜにまかせている
避暑が強制的でないだけに
それは それは ここちよい
世界は「生かされて在る」という
ウラノスからのメッセ ....
しずかに流れる時間
ゆっくりと確実に
きつくなる腐臭
これじゃあ
まるで愛しさが
溢れてしまったようで
だからとても
満たされている
ずっとこれから先も
隣に居てほしい
約束、した ....
ある真夏の日
万障繰り合わせの上
故郷の川で
友釣りを始めた

はじめに私を鼻に掛けて
流心に泳がせていく
すると懐かしい
あの顔とあの顔が
あの顔のまま針に掛かって
 ....
たとえば今日何もできなかったとして
明日も何もできなかったとする
そして昔も何もできなかったとすれば
無能だから

ボアズキョイに行くという
手紙を残して
違うところに行く

たとえ ....
 
豆腐がテーブルの下に入ったまま
出てこようとしない
いくら呼んでも
何の反応もしないでじっとしている
仕方なく椅子をどけて
自分がテーブルの下に入る
特に豆腐に恨みがあるわけでも ....
散らかったペットボトルを潰す行為
吐き散らかす罵声は

好き

の羅列


嗚呼サミシイヤ
カナシイヤ


大好きだとは言えないまでの感情を天秤に
何を片側に乗せるんだい
 ....
わたしの恋は

あっけなく終わった

あまりにも

あっけなくて

泣くことさえ

忘れていた


酷い言葉でもくれたら

思い出せたのに
翼をもがれた哀しい天使は
穢れた地上に囚われた

美しい心は踏みにじられ
純白の服は朱に染まった

誰も天使を振り向かない
みんなの幸せを願っているのに

愛することを忘れた街
天 ....
届かない手紙は
いつまでも
届かない
君の住所に
届かない
君のポストに
届かない
君の手に
届かない
君のこころに
届かない

届かない
手紙を
今日も
書きつづけて ....
鼓膜を叩く大音量に
頭が痛い だなんて
そんなことはない

ただただ
音に合わせて
攻撃的になる だけ

攻撃的になる
ということは

強い意思を持って
生きることかと
思う
何度言えばいいのだろう

さようならを

何度私に言わせるんだろう

さようならを

これからも

何度言うんだろう

さようならを



さようならなんてたった一回で ....
消えたいなんて
簡単に思ってしまうほど
心は粉々に砕けて
戻せそうにない

振り向いた先
いつもの街の風景
現実なんていつも
情のない色彩

立ち止まって下を向き
声を殺して泣い ....
街は涙であふれかえり

あんたはもらい泣き

あんたには、あたいの涙、まだもったいない
                      100715



五月闇殺人事件の捜査を私的に依頼された
容疑者は未成年で殺意は抱いていないと言っている
殺害されたのは近隣の壮年男子で
 ....
良かれ悪かれ言いたい事を言い放つ
無責任な投げっ放しジャーマンスープレックス
再び上げるガードガードガード
何処まで来たかもわからない
どれくらい遠くまで来たかもわからない
今は僕 ....
少女が腰をかける
やわらかき光が
屈折して
一人二人三人

1時20分
私はスケッチをしている

桃色の土はしめりて
昼間の太陽はなし
眠いから寝た
疲れたから寝た
悲しいから寝た
わかんないから寝た
水たまりみたいに寝る
昼間に寝る
ずた袋みたい
粘土

つまんないから寝た
寂しいから寝た
頭痛いから寝た
覚 ....
オルゴールの音が止んだ
世界は 静寂と暗闇で満たされた

行き場を失った悲しみは
僕の中で ぐるぐると巡る

『あの高い塔に登ろう』

君が好きだった
この街の景色を
もう一度見よ ....
 修辞に位置付けられるきざはしの出現はいみじくも重なり合う因果であるが、
 しかし私たちの生活を根底から揺るがすほどのナルシシズムを包含しているわけではなく、
 ただ、
 夕映えから派生する杞憂 ....
よんで こたえて

コミュニケーションと
むずかしく言わなくても

ほしいものは
みんな同じでは
ありませんか


目の前の
花にきく 風にきく

一人の私の
つぶる目に ....
夏が来れば思い出す
遥かな彼女 
青い空

澄んだ風の中に浮かびくる
優しい影 
野の少女

向日葵の花が
咲いている

夢見て咲いている田の辺り
空に向かい 
手を伸ばす
 ....
朝はすがし

ピアノがきこえる
ポンポコピーーーー
ポンポコピーーーー
ポンポコ・ポコポコ
ポンポコピー
肩にかけた布がさらりとおちていった
              100705



明日のことは
明日に
昨日のことは
昨日で
今日のことは今日に
当たり前のことを言われてその気になった叔父さん
テレビが映らないのは ....
交差点に来た
私を中心に
たくさんの人が行き交う

たくさんの人が
入れ替わり 立ち替わり
私に笑顔を向けてくれる
私もそれに応える

(誰も 私の
 本当の顔は 知らない)

 ....
     真っ白な壁にくるまれて
     身じろぎ一つしない 彼女の
     静かな寝息が こんこんと響く

そこは いつも
扉に囲まれていた

円い扉、四角い扉、
ぶ厚い扉、簡素 ....
 たった一本の卒塔婆のように
 不健康に伸びた櫓から
 私はずっと向こうの火山を見守る

 今にも昂りそうで昂らない
 噴き出しそうで噴き出さないそれを
 ひたすら見守りつづけて幾星霜も過 ....
真夜中に飛ばす
しゃぼんだま
闇夜に透けてゆらめく

触れてはだめ
われてしまうから
そっとみつめる
そっと飛ばす

唇に力こめないよに
泣いてしまわないように

ふう っと
 ....
               100619




きりきりと袋掛けする童かな
見てきたような景色を作ると
桃の季節が近づいて来る
蒸し暑い空のもと
白百合が鷹揚に咲き
散らかった ....
車椅子になった息子の為に
車椅子ごと 乗り降りできる
車を買った

ほとんど 即決でマツダのデミオに
なった

それまでは ずっと中古の
普通車だった

その車は まるで
あたし ....
 
 
泡がうまれ
浮かんでいって
はじけて消える
泡が泡として存在した
一瞬のいのちが
空中へ放たれてゆく

窓のそと
にゅうどうぐも
夕立がくる
ひとり
またひとりと
 ....
藤鈴呼さんのおすすめリスト(405)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
忘れた夏(九)- 信天翁自由詩2+10-7-20
指切- 自由詩110-7-20
友釣り- 小川 葉自由詩8+10-7-20
何もできないのは無能だから- a自由詩110-7-20
冷奴- たもつ自由詩910-7-19
伸びた前髪の向こうから見つめて欲しい- 幼虫バニ ...自由詩2*10-7-19
あっけなく- 空美自由詩2*10-7-19
哀しき天使- うずら豆自由詩110-7-19
届かない手紙- ふくだわ ...自由詩110-7-19
無題- 佐々木。自由詩110-7-18
ありがとう- 桜 歩美自由詩5*10-7-18
消えたとしても- 空美自由詩3*10-7-18
あたいの涙- 殿上 童自由詩6*10-7-15
さくつきみやま- あおば自由詩1*10-7-15
ぐしゃぐしゃ- 虹村 凌自由詩410-7-13
「1時20分」- 生田 稔自由詩510-7-13
寝た- salco自由詩9*10-7-13
さよならはいつものように- 結城 希自由詩3*10-7-11
散在しつづけるきざはし- 豊島ケイ ...自由詩7*10-7-10
微笑- 朧月自由詩610-7-10
青空の思い出- 一 二自由詩310-7-9
朝はすがし- 生田 稔自由詩4*10-7-8
地デジ対応- あおば自由詩5*10-7-5
明日があるから- 結城 希自由詩3*10-7-3
虹の扉- 結城 希自由詩7*10-7-2
対峙- 豊島ケイ ...自由詩13*10-6-25
しゃぼんだま- 朧月自由詩710-6-22
白百合- あおば自由詩6*10-6-19
愛しのデミオ- 森の猫自由詩7*10-6-14
炭酸水と夏の気配- 小川 葉自由詩510-6-13

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