雪の上に残る
踏みしめた足跡
一つ増えるごとに
私は素直な心を
取り戻していきます

小さかった手が
だんだんと大きくなるにつれ
大きな愛情から
逃げるように
離れた強がりの私は
　.... 気づいたら、すでに私でした。　
鏡に映っている、ひとでした。　
産声を上げる場所も　
時代も　
両親も　
自分という役を選ぶ間も無く、私でした。　

砂浜を往く、亀に憧れ　
黙ってそこ　.... 姉さんが嫁ぐ日
外は真っ白な雪景色
綺麗な白無垢姿は
雪の中に輪郭を溶かし
唇にひいた
紅の色だけが際立っていた

姉さん
私の憧れの姉さん
なぜ悲しそうなの？
雪を被った椿に
　.... 「見て、B-29よ。」

一九四五年のある夏の日、
私の頭上にあるのは夢でも希望でもなく
死神の翼でした。

終戦間近、戦火を免れ長閑さの残る片田舎の少女だった私に
戦闘機の名前など区別　....

妖精通信士さんのおすすめリスト（4）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
足跡	- ミツバチ	自由詩	22*	10-2-2
灯のひと＿	- 服部　剛	自由詩	7	10-1-24
椿	- ミツバチ	自由詩	15*	10-1-13
「B-29は頭上を通り過ぎていきました。」〜祖母の記憶	- 夏嶋　真 ...	自由詩	31*	09-7-26

---