日常が
あまりに慌ただしいと
しずかにしている
しは書かない
こころに
隙間ができると
ことばで埋めようとする
そういうしは
少し語彙がかなしい
こころに
刺激があると ....
不思議だな少し不思議だ覚えてるいや嘘ごめん誰ですあなた
落下してきたような鳥たぶんあれ青鷺かなと思うんですよ
プルートー愛していない逃げてくれとにかく片目抉りたい也
わからない木々の ....
友達と遊んで別れてひとりきり
空はとっぷりと日が暮れて
すっかり遅くなった帰り道
お家に帰りたくないよう
きっとお{ルビ継母=かあ}さんに叱られる
きっとお{ルビ継母=かあ}さんは怒って ....
汚物は腐敗しない
腐敗しないどころか
浄化されてゆく
浄化されたものは腐敗してゆく
浄化されればされるほど
腐敗は目につき鼻につく
肉体とはなんだろう
百 ....
バドミントンの羽根の形
ふわりと 浮き上がる 瞬間に
不思議さを 覚える
固い レースのようだ
そう 連想すれば
見たこともない 小さな妖精に
着せてあげたい ドレスを
妄想する
....
ミミズ君が群れる
糸こんにゃくのドンブリ
俺は 君が欲しいよ
スコッチウイスキーの縞模様
*
黒色の思いが
水色とオレンジに混ざり合って
群青色の体から
レミオロメンのメロ ....
水平線に身をゆだねて眠っている
海面は揺りかごのようにゆらゆらと子守唄をうたう
水温はいくらかぬくもりを帯びてわたしを包む
羊水、とは確かにちがう
わたしと海の関係は、母と子という繋が ....
黄土色に青ざめた手が
黄昏の先の深淵を予感する
黒き幻想の訪れに
我が胸は戦き震える
白き衣のヒポクラテスも
ナイチンゲールの囀りも
何の慰めになろうか
空疎な言葉は
ただベッドの ....
君がふれた場所に
指を這わせた
私が抱き締めたのは
紛れもなく君でした
今日も私消えずに
君がふれた場所を
抉ってみる
薄い靴下に 冷気が渡ってくる
凍りかけた土に 残る雨水
青につらぬかれた 空が濁る
遠い所で カラスが鳴いた
歩く頭上を 羽音がかすめる
振り返ると 朱色の実が いく粒か
....
明るい心臓の奥深くに
私のかたちに似た木が一本
ひっそりと佇んでいる
その木は、
常緑と呼ぶにはいささか
難解で
落葉と呼ぶにはいささか
陽気である
そし ....
走り去る光 ひとすじ
取り残されたのは僕だった
僕を置いてどこへ行きますか
夜は危ないですから 事故など起こさないでくださいね
霞みゆく光 遠く
途中下車したのは僕だった
僕を ....
道の歪みのそこここに
溜まって出来る水たまり
昔の雨にはつきもので
道行く人の迷惑で
車が通れば泥をはね
人が踏めば靴汚し
道の歪みの性格を
そのまま見せる水たまり
そのうち道 ....
{引用=
紙上に佇む
痩せ細った枯れ木
磨り減ったペン先がつけた
掻き傷の隙間に
深く根を張るインクの滲み
どこに行くとも
なにを残すとも
示さぬままに
埋まってしまった行の終わりの ....
冷蔵庫ゆっくり冷えていくものが光のような気がしてならない
やっと今一人で立てた足元にいろんなものが這いのぼってくる
ゴミ置き場月光に散る貝殻が泣いてるまぶたに見えなくもない ....
卵に言葉を教えた
教えた言葉を
卵はすべて覚えたけれど
口がなかったので
話をすることはなかった
雲が形を変えながら
夏の空に消えていく
わたしが生まれてから
何度も見たそ ....
一匹の猫が毛をくわえてなめながら
道路端で毛づくろいをしている
通り過ぎる車の行き先をどこかしれっと見つめているようで
彼の行き先は誰も知らない
道端で死骸となった小動物をいく度も見て ....
エスカレーターに乗ったらAKB48の特大ポスターだらけ
メンバーそれぞれがアイドルらしさ決めている
化粧品でもと立ち寄っただけなのに
ちょっとびっくしだよね
私かわいいでしょって屈託の ....
帰路暮れて揺れる電車は音穿つ(で、あったなら)(で、なかったら)
ミルクティー恋人たちがこぼすから空は蕩けて星空になる
夕焼けの残滓に向かう農夫いて暗き川原に燃やす唄声
....
やさしく
やさしく皮を
一枚ずつ 剥いでゆこうと するのだけれど
途中で べろり しくじった
幾重にも
幾重にもくるまれた その中味は
あったかで やわらかで つるりとした
きっとそ ....
人というのは辛いときであっても
いつも同じテンションで他人と接しなければならない
いつも変わらず笑っていないと
人は寄って来てはくれない
だから無理して過ごしてはいるけれど ....
あの子が人気だから。
だからあの子のまねばかりしちゃう
だからあの子と仲良くしようとしちゃう
あの子は人気だけど。
わかんないけど
自分にも自分なりに
良いところがあるはずだか ....
夫が言った。
「今年のバレンタインは、なしでよろしく。
おかえしが面倒だから」
とてもとても、落ち込んだ。
色恋とは無縁に生きてきた。
友チョコが流 ....
沈みゆく 夕日の中の 僕と君 二人のほっぺは ほらりんご色
俺のことを暗い奴だと思ってる奴を俺は好きにはなれないが、ただ単に明るい奴だと思ってる奴は大嫌いだ。 大嫌いだ。
俺は、変わってるのか。
俺を主観として考えたらそ ....
誰かが言った
真っ赤な夕焼け空を見上げて
すごいなこりゃ
天変地異でも来るのかな
明日は地球滅亡するね
子供は走って家へと急ぐ
筆箱カタカタすっ飛んでいく体操着袋
慌てて拾ってまた駆 ....
ミモザの下でキミを待つ、キミを待つ。
雨は銀灰
傘を打つ音、なる、なる、なる。
ちりちり りりり 燃える線香花火。
さわさわ さわわ ざわめく拍手。
ぽんぽろ ぽろろん ....
ふたりで羊羹に入ろう
思い立って三軒目のコンビニで見つけた
消しゴムふたつぶんくらいの小さな羊羹を
にゅるっと皿の上に出す
安物でいいのかと聞くと
羊羹ならば構わないと言い
ゼリーでは ....
知ってるかい。 俺も君も天才だってこと
知ってるかい。 躁鬱病で劣等感と優越感の間を繰り返し往来していることを
知ってるかい。 その振り子運動が生きる力を発生させているということを
知らないだろ ....