古いきりんのゆめをみる夜
鏡の中のわたしと目があう
このおんなのこと
なんにもしらない
フィクションと
ノンフィクションが混じりあい
胸のうちには回遊する人魚
魂の計画なんてものがもしある ....
(この世界にうまれなかったすべての記号たちに
琥珀色した光りが届いたなら――)
/星が瞬きも忘れて
/死を視ている
世界の空が薄い琥珀のように潤み始めた頃には残された ....
夜更かしの羊飼いは大層身軽で
わたしの寝室へ夢のように舞い降りては
夜毎数字をひっくり返す
空がまるで海なのよ
わたしはちぎれながら泳ぐ
よれた真夜中を
雨に打たれるカラス ....
アスファルトには干からびた雛の死骸
散水の終わったテラスでは
欠けた樋から不規則に水が漏る
深爪の指を舐め
ただそれらを見下ろしている
穏やかな午後だ
路傍に転がる石ころのように
....