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色のない砂浜
連鎖する海鳴り
仰向けになったわたしは
ガラス瓶の秘密を抱えて
眠りにつく
冷たい風が頬をなでる
時間が止まって
いつしか感じることもなくしてしまった
色 ....
役者は
媚びてしまった
目の前の毒リンゴを
食べてしまった
役者が
安っぽい悦楽で
身体中を痺れさせている間に
観客は
優しい嘲笑を浮かべつつ
足音もたてずに去ってい ....
あなたが浸る湯船にうかぶ
ひとつのゆずになりたいと
からだの芯まで温めて
すこやかなれと
やすらかなれと
....
大好きな人よりも本当は
お弁当の方が好き
はっきり言ってももちろん愛は消えないさ
僕の方のね
でもさ愛がはっきり確かめられるんだ
たとえ見栄え悪くてもね
おかずはいいさはっきり ....
狩猟民族としてのあるいは
遊牧騎馬民族の遠い遠い血が流れているのだろうか
トラッカーだけれどカーナビなんて要らない
iPadでGoogleMAPだけで探索し移動するのが得意になった
い ....
モモンデン
モがおおいから
ちがう
にせもの
たのしそうなえがおで
そんなに
それで
それが
ぜったいに
こっちには
むかないのに
みていたとすれば
禁止令
聖像とか ....
流れていく方向を見失って
濁り始めた水と空気
「仕方がない」のお題目の下で
済し崩しにされる許容限度
時間をかけて築き上げた壁を
やすやすとすり抜けて
目の前に現れる他人
....
水の音に、
さらわれてしまった、
まるで、体は、
どこにもないかのように、
流されて、
くだけた、
服にまとわりついた
みずの、おとだけが、
私をぬらして、
ずっとずぶ濡れだった ....
ミスター・ホリディ!
左胸に風穴をあけて
そこから空の碧
突き抜けてる!
なんてチャアミング!
海沿いを奔るだけの
汽車に乗り込んで
あの変な容器に入った
お茶を呑もう ....
睫毛が燃える
目の前で煌々と
美しい光景だ
眼球の溶ける痛みと引き換えに
美しい光景だ
ひとを愛せなくなったと
あなたは嘆き
はなから愛なんてなかったのにと
わたしは呟いた
※
大切なのは感動なのかな
与えて
与えられて
生まれたての感動はぷるんと ....
きょう
きみがうまれたひに
たどりつきました
ふたりでいっしょに
そのいみをすこしかみしめたい
いきかたは
ひどくつたなくて
そのすえに
きみにであったような
きがした
....
夕暮れには不思議な魔力があって
どういうわけかふいに門が開かれて
僕の王国に淋しい旅人を連れて来るんだ
旅人はしばらくは荘厳な夕日に見惚れているが
我に返ると皆決まって故郷に帰りたがる
....
どれほど歳を重ねたにしても
夏の終りは感傷的で
どこかしらか和太鼓を叩く音が聞こえてくる
リズムを刻んでいるようであり
生の在り様を現そうとでもしているのか
小刻みに
あえて無 ....
散らばった削り屑をかき集めて呻いた。ほのかな樹木の香りがした。あたしは一個の彫刻になっていた、ことばのかたちにからだを削り上げたのだ。記号の救命艇。戦艦は撃たれて沈み、ことばに乗らない彫刻未満がうよ ....
青黒い皮膚の下で
躍動する肩甲骨に
未熟なサーファーが乗り上げて
水飛沫を上げて砕け散る
白い泡立ちとなって
打ち寄せる指先は
永遠に砂浜を掴み損ねて
桜貝の汗を置き忘れていく
....
風と雨にまくしたてられ
ふらふらと歩く
傘なんて意味がなく
ずぶぬれで道をいく
けれど心は濡れまいよ
けれど心は濡れまいよ
根はしっかりと地を這っているはずだ
ゲリラ豪雨
突如として大量に降る雨を
奇襲を行う
ゲリラにたとえている
曇り空とともに雷鳴
合戦の予感に
鬼瓦は
武者震いに震える
夏休みを、なんとか、
2日取って、
土日とくっつけて、
4連休の、二泊三日で、
軽井沢へ行った。
彼女と行った。
新幹線で行ったの。
たった1時間でつくのさ。
なんだかわか ....
強がっているわけでもないけれど
そして君が厭なわけでもないけれど
君が帰ってこない今晩が妙にすがすがしくて
空を見上げたら
お月さまはもうなくて
見えないとかそういうんじゃなく
お月さまはもうなくて
誰の消しゴムのせいか知らないけど
とにかくもう、なくて
夜、何を見上げればいいか途方に暮れた ....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。
わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
涙が止まんなくて
カラカラの私
願いはサラサラ手のひらヒラヒラ
やだ、しょっぱい。
涙が止まんない
ねえ、こんなにしょっぱかったっけ?
そしてまた願った
いつ ....
世界に追いつけないでいるわたしに、椅子が用意され
明日という不在について語れと言う
目を閉じたときにだけ、
かつて捨ててきた言葉たちが 戻ってくる
根を、そこここに生やしては 日々 ....
そこは 小さな駅で
ときどき SLも通る駅で
小さな改札口の前には
電車を待つ人のために
素朴な木のベンチがあります
ベンチと改札口の間は
すぐ近くにある大きな駅に行く人の
通り道に ....
春を燃やせ
はにかんだ木漏れ日から
涼しげなふりをする風から
蒔き散らした種の芽吹きを妄想している
八重咲き紅梅一輪をちぎり
呆けたアスファルトで踏みにじれば
一滴の紅は血となり火 ....
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