そそられる記事だった
「UFOの断片が初公開!」
「福島市で特別企画展開催!」
私は家族にわびを入れて
行かなければならないと厳冬の中
オートバイで1時間走り続けた

アメリカがUFOの ....
彼の指紋で剥がれない絆創膏優しい痛み缶詰のパイン   或る秋


切り取られた空が

造り酒屋の軒先にひつかかつて

はたはた ゆれてゐる

おかつぱの姉さんと

坊主頭の弟が

口をまんまるにして

それを見つ ....
月夜
そのまんげつの
スーパーマーケットみたいなかなしさ
まるく あかるく
孤独で 遠い

タクシー
今すぐに運んで
わたしの足が濡れていても
乗せてくれますか?
私は錆びてそして燃える。
灰の中に埋もれた指輪のトパーズはまだ、青いままか?
空から夏が降ってくる。
だれかぼくに
長い手紙をくれまいか

すっぽり暗いすり鉢の空の底
吹雪のあけた だだっぴろい広場に
まんべんなく雪は敷き詰められて
だれかが夕暮れの紅いろうそくを吹き消す
すると
取り ....
くちばしの長く伸びた蚊に足の指を吸われながら
恋人の首をころりと乗せた二の腕の潰れ具合を計っていた。
前髪の先に留まるシャワーの残り水が
目尻を伝ってシーツにつくと、
空は落ち、
圧縮袋のな ....
{引用=――わらべうた}


空は晴れていました。それはもう、
実にみごとに晴れわたっていまし
た。僕(子供)は逆上がりができ
なくて、学校でみんなから笑われ
て、からかわれて、そのせい ....
チェーン店のカレー屋で 
「グランドマザーカレー」
を食べていた 

自動ドアが開き 
ヘルパーさんに手を引かれた 
お婆さんが店に入り 
隣の席にゆっくり  
腰を下ろした 

 ....
無限小と無限大とよばれる番いがちょうちょを啄ばんでいる
雨上がりはまだ地平のむこうにひそんでいる
くちばしにこびりついた燐粉が死んでしまった!を水煙で香るが
雨だれの音楽葬でさようならする
 ....
ぼくたちは春を起点に遠ざかる公転軌道を失った星






君という病を喪いかたかたと瘧(おこり)のように震える柱



便箋を一枚一枚丁寧に破ればただ ....
夕暮れの水位は
さざなみ
浅い胸に、さざなみ
空白で埋めたはずの
小さな画布が
素朴に満ちてゆく

海面に浮かぶ
危うい杭に
うずくまる鳥の
膨らませた羽から
零れる文字のやさし ....
 
都会では
駅でたまたま友人に
会ったりするものなのかい
問う父に
そうだよと
わたしは答えた

セイウチみたいになった
友人にね
友人でもないのに
会ったりするものなんだよ
 ....
もつ煮込み屋で
黒ホッピーと
さんまを食べる

このはらわたをねえ
日本酒で食べたらおいしいんだよね
それだったら、日本酒、たのめばいいじゃないですか
そうだねえ
そうなんだけどねえ
 ....
吉兆夢さんのおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
UFOの断片- イオン自由詩1*21-12-11
a- 星染短歌120-7-3
或る秋・連絡船- 石村自由詩20*18-10-6
月夜- はるな自由詩318-9-22
ジュピター- マリア・ ...自由詩517-12-20
ぼくに手紙を- オイタル自由詩11*11-2-10
よぶん- 佐藤真夏自由詩5*10-6-27
幽霊のひもの- 岡部淳太 ...自由詩20*10-6-11
稲穂のこころ_- 服部 剛自由詩1109-3-22
雨をスケッチする- コーリャ自由詩7*09-3-21
春を密輸- しろいろ短歌1609-3-15
素描- 佐野権太自由詩19+*09-1-29
セイウチ- 小川 葉自由詩409-1-26
さんま- 夏野雨自由詩57+*08-3-15

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