黒電話のダイヤル
十一個目の小穴穿ち
幾何学する白い指
なんてどこにもない
頭の中にしかないと思う
ゆうがた、
かみさまにいてもらいたい


アパートの部屋からもみおくれるけど
けど、
そこからはなんかみおくりたくない
ただなんか、

商店街でみおくりたい
はだしで じゃなく は ....
トム
元気かい、トム
僕は今、トム
言葉を選んでいるよ

トム
耳から血がでたよ、トム
耳血だよ、トム
理由はわかってる
いやな話を聞きすぎたせいだ

トム
空色だよね、ト ....
鉄火巻きをこよなく愛する
あなた
まぐろだったら 握りでいいんじゃないのって
訊いたことがあったけど
海苔が ね
合うんだそうだ なるほどね

パスタなら タラコスパゲッティ
中華 ....
午後には、カーテンに漂白され、
白色に、夏の気はふれてゆく


目蓋で覆い尽くすも、白光する夏、白光する、午睡混じりの

色など要らないと叫びたかった私は、
今は、誰

 ....
指、で押す
蝉のお腹の柔らかさのことを
私はぼんやり考えている


お腹、を
開いた人は
仰向けになり空の方角へ開いている


光、の直進は
結局ことごとく挫折し ....
根道とは露出した男根を用いて行う男の格闘技である。純粋に硬直した男根のみで戦うため、男根に手を添えることは禁止され、腕は頭部の後ろで組ませる。互いに男根を突き出し切り結び、相手の陰嚢に効果的な打撃 .... ぶちあたる。
とにかくぶちあたる。
光ってはいるけれど
安っぽい弾丸。

蛍光灯の傘にぶつかる。
窓にぶつかる。
壁にぶつかる。
いちいち音を立てる。

緑金色の背中は
あれでな ....
人の向こう側に横たわる人よ
横たわる人を跨ぐ人よ
潰された眼は見ていただろうか

白く透ける少女の抜け殻を
地下水脈の夜光虫を
皮膜に隠された結晶体を

地は焦げるほどではなく ....
逆さ花 茎をあたしにどうしろというの



願ってもない 連れ込み宿の壁れんれん



アスファルト届き届かず朱い爪



   (ペンギンの声引きつる ....
溢れてしまいそう

溢れさせておけばよかった

もう周りには花は咲いていなくて
指に触れる砂 ざらりとした 痛みの粒の


溢れてしまいそう
溢れて 咲いてしまえばよかった

 ....
午後いや午前も
コルゲンのようなうずら卵のような
つるりと白く圧倒的にやわらかく飛び散りそうな
つきぬけてせつないぼくらなのです
ただポケットでヴァイブする神経が
吸い付くように研ぎ澄まされ ....
深々と 静寂な
海にたゆとっていたいんだ
言葉の羅列の大通り
耳を塞ぎたいときもある
その合間にも
世界は回転している


触れるのは少し痛そうだから
ベンチに深く沈みこんで
とり ....
閉ざされた空をこじ開けると
夜だった
これはもうするしかない
赤い花びらをそっとめくって
またはひらいて
潜り込む黒い蜜室
いつまでも潜ったままで
星々の干渉から逃れる
ああ 断絶 断 ....
庭うさぎ {ルビ食=は}み尽くしても {ルビ茗荷=みょうが}避け



揚げ雲雀 後悔先に 立たずかな
ああ もうこんな所では我慢できません
と ひしめく冷蔵庫内の冷凍室で
イチゴ 抹茶 チョコ オレンジ ミルク
などの アイスキャンディーが
なんやかんやと 会議中です

時々 冷やかしを入 ....
街路樹の木漏れ日の
軽い暗号から、単なる錯乱への
変質
街路樹の木漏れ日の
軽い暗号から、単なる錯乱への
変質



染み込まない
土瀝青


指の隙間から覗く ....
七日目を待たずに
未完成の球体をもてあそぶ少女が
白の断片を拾い
主体を隠す
まもなく
発火するだろうパンドラの箱
遂に
僕らの目醒めを待たぬまま
   蚊のはなし

鉄板の上で 表面が美しく焦げる
ミディアムレアな 霜降り和牛ステーキの上に
ニンニクをたっぷりのせて食べた 幸福な夜です。
(しかも おごりで)

家に帰り着く頃には ....
とかげの足音を拾っていくと
「かげろう」と呼ばれる庭で行き詰まった
兄さん
あれは生き別れの兄さん いいえ
姉さんだったかもしれない
が、
見えたりもする

通りすがりの犬 ....
鴉来る数十羽来る空は青

鴉悲しまず空の青海のあを

山に海に日の唇づくるとも鴉

鴉鳴く読点多き文読めば

人死にの記事を切り抜く鴉鳴く

鴉捨てにゆきてかえらぬおとうとよ

 ....
カラフルメリーは自分の名前が大嫌い
カラフルメリーを本当の名前と信じたがってる
唐辛子よりブラックペパー
胡麻油よりオリーブオイル
テーブルの上の醤油が死ぬほど恥ずかしい
天国のパ ....
靴屋がパラダイスだというので白熱灯に照らされる店員のおばさんを眺めている。ステレオタイプな課長は眼鏡を拭きながら鳴る携帯を落として申し訳ありません大変申し訳ありません。スターバックスラテのショートサイ .... 仕事帰りに通る駅から我が家までの坂がある
これは下り坂なのだが、朝は確かに上り坂だった
いつもいつもいつの間にか上りと下りが入れ代わる不思議な坂だ
何時ごろに上下が交替するのか観察してみたことが ....
いまはまだ
冬の秘密を伏せておこう

ねっとり黄金の蜂蜜を練りこんで
ぴかぴかの春がやってくる

舌先で感じる原初の味覚は
甘味なのだから
わたしは拒まない

とろりながれる黄金の ....
背中に負った
水の赤子が
たぷたぷたぷたぷ
寝息を立てている



雨の日 かさをふたつさし
雪道の上をざつざつ歩くと
まわりからたくさんの
水の寝息がやってきて
 ....
指の跡 みじかい文の うらおもて

いまさらの 恋が見えない あぶり出し

ときどきが どきどきするほど わるい恋
瀬をはやみ割れたきりなる年の夜

心眼を持たぬ我らの初詣

拾ひしは空の財布ぞ初夢に

二階なき我が家にぞめくひめはじめ

ちはやふる{ルビ雪花菜=きらず}炒めつ落語聴く
気がつくと
捨てようとした広告紙の裏一面に
ひとつの名前を繰り返し書いていたりして
それがまた
自分でもびっくりするくらい意外な名前で
戸惑うというより不思議な気分になってしまって
驚愕と ....
うつし世は春雨なりき芝居果つ

渡り廊下の左右より春の闇

洗ひ髪夜しか逢へぬ人と逢ふ

揚花火仰ぐ横顔盗み見る

首筋に跡を残せし残んの蚊

衣かつぎ妻は家では酔へぬも ....
右肩良久さんのおすすめリスト(64)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
徒然_三- 鎖骨自由詩3*07-10-28
「みおくりについて」- パール子 ...自由詩1404-9-1
管制塔からの伝言- 自由詩404-9-1
ごちそうさま- 月音自由詩304-8-31
漂白色- A道化自由詩604-8-28
遠隔作用- A道化自由詩9*04-8-5
根道についての覚書- がらんど ...自由詩6*04-8-5
カナブン(百蟲譜33)- 佐々宝砂自由詩7*04-8-5
散水塔に虹- がらんど ...自由詩12*04-8-4
曇り恋情- フユナ俳句2*04-7-27
飽和- 田島オス ...自由詩3*04-7-17
ムジーク- nm6未詩・独白904-7-17
追い掛ける、空と朝と- 霜天自由詩704-7-14
搾取- 本木はじ ...自由詩604-7-12
斑ウサ- 呉汁±俳句2*04-7-7
アイスキャンディー- 千月 話 ...自由詩3*04-7-6
偏愛する土瀝青- A道化自由詩404-7-2
昏睡- 本木はじ ...自由詩6*04-7-2
虫のはなし- 千月 話 ...自由詩6*04-6-2
あばら家- いとう自由詩704-4-29
鴉16句- 佐々宝砂俳句3*04-4-25
カラフルメリーダイヤモンド- いとう自由詩1704-4-6
暮れかかる大塚駅が- nm6自由詩404-4-5
(はゆ)風の思慕_−加藤大次郎に−- クリ自由詩1*04-2-23
秘密- 佐々宝砂自由詩404-2-21
ノート(寝息)- 木立 悟自由詩204-2-16
恋文と恋の三句- 折釘俳句704-2-12
ちはやふる- 佐々宝砂俳句4*04-1-14
- 佐々宝砂自由詩504-1-3
半仙戯- 佐々宝砂俳句603-12-30

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3