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指、で押す
蝉のお腹の柔らかさのことを
私はぼんやり考えている
お腹、を
開いた人は
仰向けになり空の方角へ開いている
光、の直進は
結局ことごとく挫折し ....
根道とは露出した男根を用いて行う男の格闘技である。純粋に硬直した男根のみで戦うため、男根に手を添えることは禁止され、腕は頭部の後ろで組ませる。互いに男根を突き出し切り結び、相手の陰嚢に効果的な打撃 ....
ぶちあたる。
とにかくぶちあたる。
光ってはいるけれど
安っぽい弾丸。
蛍光灯の傘にぶつかる。
窓にぶつかる。
壁にぶつかる。
いちいち音を立てる。
緑金色の背中は
あれでな ....
人の向こう側に横たわる人よ
横たわる人を跨ぐ人よ
潰された眼は見ていただろうか
白く透ける少女の抜け殻を
地下水脈の夜光虫を
皮膜に隠された結晶体を
地は焦げるほどではなく ....
溢れてしまいそう
溢れさせておけばよかった
もう周りには花は咲いていなくて
指に触れる砂 ざらりとした 痛みの粒の
溢れてしまいそう
溢れて 咲いてしまえばよかった
....
深々と 静寂な
海にたゆとっていたいんだ
言葉の羅列の大通り
耳を塞ぎたいときもある
その合間にも
世界は回転している
触れるのは少し痛そうだから
ベンチに深く沈みこんで
とり ....
閉ざされた空をこじ開けると
夜だった
これはもうするしかない
赤い花びらをそっとめくって
またはひらいて
潜り込む黒い蜜室
いつまでも潜ったままで
星々の干渉から逃れる
ああ 断絶 断 ....
ああ もうこんな所では我慢できません
と ひしめく冷蔵庫内の冷凍室で
イチゴ 抹茶 チョコ オレンジ ミルク
などの アイスキャンディーが
なんやかんやと 会議中です
時々 冷やかしを入 ....
街路樹の木漏れ日の
軽い暗号から、単なる錯乱への
変質
街路樹の木漏れ日の
軽い暗号から、単なる錯乱への
変質
の
染み込まない
土瀝青
指の隙間から覗く ....
七日目を待たずに
未完成の球体をもてあそぶ少女が
白の断片を拾い
主体を隠す
まもなく
発火するだろうパンドラの箱
遂に
僕らの目醒めを待たぬまま
蚊のはなし
鉄板の上で 表面が美しく焦げる
ミディアムレアな 霜降り和牛ステーキの上に
ニンニクをたっぷりのせて食べた 幸福な夜です。
(しかも おごりで)
家に帰り着く頃には ....
とかげの足音を拾っていくと
「かげろう」と呼ばれる庭で行き詰まった
兄さん
あれは生き別れの兄さん いいえ
姉さんだったかもしれない
が、
見えたりもする
通りすがりの犬 ....
カラフルメリーは自分の名前が大嫌い
カラフルメリーを本当の名前と信じたがってる
唐辛子よりブラックペパー
胡麻油よりオリーブオイル
テーブルの上の醤油が死ぬほど恥ずかしい
天国のパ ....
靴屋がパラダイスだというので白熱灯に照らされる店員のおばさんを眺めている。ステレオタイプな課長は眼鏡を拭きながら鳴る携帯を落として申し訳ありません大変申し訳ありません。スターバックスラテのショートサイ ....
仕事帰りに通る駅から我が家までの坂がある
これは下り坂なのだが、朝は確かに上り坂だった
いつもいつもいつの間にか上りと下りが入れ代わる不思議な坂だ
何時ごろに上下が交替するのか観察してみたことが ....
いまはまだ
冬の秘密を伏せておこう
ねっとり黄金の蜂蜜を練りこんで
ぴかぴかの春がやってくる
舌先で感じる原初の味覚は
甘味なのだから
わたしは拒まない
とろりながれる黄金の ....
背中に負った
水の赤子が
たぷたぷたぷたぷ
寝息を立てている
雨の日 かさをふたつさし
雪道の上をざつざつ歩くと
まわりからたくさんの
水の寝息がやってきて
....
気がつくと
捨てようとした広告紙の裏一面に
ひとつの名前を繰り返し書いていたりして
それがまた
自分でもびっくりするくらい意外な名前で
戸惑うというより不思議な気分になってしまって
驚愕と ....
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