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汚れたうさぎ色の空から
アスパラの雨が降る
雨は次々に根を潜らせ
背中から空へ白いまっすぐな筋を何本も何本も何本も
川の溜まりの鋼の渦に
くるくると浮かび上がるそのひとの「きのう」
....
庭に日の差す縁側で
かげろうにゆらりと手をかざす
つかめないな
銀のコップが透き通って
細く光る指先の丸み
着られなかった
紺の制服をまとって
うっすらとたなびくおまえ
好きだ ....
霜が降りた
歩道の黒い縁石に
雲まで忍び寄る電柱の背中に
今朝のしるしが重なる
雲ひとつない冬空の下を
花嫁が歩いていく
黒地に赤い花を揺らして
うなじに笑顔の雫を落として
半月前 ....
花しょうぶ
さびしく並ぶ
ホームの柵で
白いパンをちぎる
包むもののない肩は
冷たく硬く
黒い雨の滴は
長く久しく
朝はこんなにも
騒がしい
ビルを巡る溝渠の水が
空をつかん ....
おとうさん
新年はやっぱり青空だね。
見上げると雪に覆われた町の空は円く晴れ渡り
周縁の雲は黒く山の上に山を重ねて
峰々の隙間から綿アメのような曙光が
白く絡んでいる
首を直角にあお向けた ....
夜の白い闇の中
そこだけ明るい連翹の枝の下で
心を硬くして人を待った
凍てつく指先を
小さく回して
少しだけなつかしく人を待った
何もない闇の切れ目から
騒がしく雪は躍り出て
....
今年娘が
中学を卒業する
生まれたときに
そばにいてやれなかった娘だ
海がめの背に乗って
海中のテーマパークに行くお話を書いてやろうと思う
今年娘が
中学を卒業する
俺に似て
出 ....
天井から
夜が下りてくる
お父さんは四十年生きて
長かったなあと思う?
布団の中の息子が
息継ぎに顔を出す
しみじみする口のまるい形
「ささやかなこの人生」とつばを飛ばしてナカジマは歌い ....
信号の前で車を止める
「スリップ注意」の看板
今朝も家を怒鳴って出てきた
(胸がざわつく)
見慣れた通勤路
消えていく感傷
たたずむ白い看板「スリップ注意」は
いつものお立ち寄り
....
午前五時
体内時計が鳴り渡る
目覚めの渚に並ぶもの
幾本ものやせた丸太
あちらこちらと転がして
いやな朝を反芻する
窓の外には
晴れない空
窓辺に歩み寄る
秒針
夜 ....
草色の風過ぎ行く早朝五時半の晴天の
スーパー○○朝市の駐車場は
車と人とささやかな諦念とで 満員
ところで不思議なことに
売り子の呼び声も客の喧騒も
皆目聞こえず ほんと聞こえず
朝市に並 ....
道の真ん中で
前足に頭を乗せて死んでいる
薄目をあけて
スピードを落とす車のタイヤを見ている
右足が曲がってのびているが
気になるほどではない
話しかけると
少し顔を上げ、鳴いた
....
nonyaさんのオイタルさんおすすめリスト
(42)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
汚れたうさぎ色の
-
オイタル
自由詩
8*
09-7-6
庭に日の差す縁側で
-
オイタル
自由詩
9*
09-4-15
花嫁のうた
-
オイタル
自由詩
4*
09-2-8
花しょうぶ並ぶ
-
オイタル
自由詩
3*
09-1-16
元旦に雪を掘る
-
オイタル
自由詩
3*
09-1-2
夜の闇の中で人を待つ
-
オイタル
自由詩
1*
08-12-31
今年娘が
-
オイタル
自由詩
3*
08-12-26
ここに魚を
-
オイタル
自由詩
6*
08-11-29
スリップ注意
-
オイタル
自由詩
5*
08-9-20
いやな朝
-
オイタル
自由詩
6*
08-9-16
スーパーの朝市
-
オイタル
自由詩
1*
08-9-12
その犬
-
オイタル
自由詩
2*
08-9-7
1
2
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